小林秀雄 江藤淳 全対話 の商品レビュー
30歳差、江藤淳の緊張感が伝わってくる。しかし、前半の対話と後半の対話で随分距離感に違いを感じた。前半はひりつくような緊張感であるが、後半は6〜7年後で立場が少し変わっているからかもう少し渡り合うような対話に見える。話題が広く様々に変わっていくが、三島事件に対する評価の違いのとこ...
30歳差、江藤淳の緊張感が伝わってくる。しかし、前半の対話と後半の対話で随分距離感に違いを感じた。前半はひりつくような緊張感であるが、後半は6〜7年後で立場が少し変わっているからかもう少し渡り合うような対話に見える。話題が広く様々に変わっていくが、三島事件に対する評価の違いのところが特に面白かった。そして、現実と言葉ががっちり結びついて、現実の動きを言葉にできるし、言葉が現実を動かす基盤になる、その実感があるのが不思議だ。いまの言葉は何にも触れないゲームみたいに感じるのだけれど。そして繰り返し、言葉が根本の人間の精神性みたいなものを規定するという話をしているが、それは本当にそうで、ゲームのような言葉を使っていると人生全てが架空のゲームになってしまう。現実に触れるというのはひどく難しい。最後の江藤淳の「絶対的少数者」の論文は素晴らしかった。
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小林さんは、コピーライター的な言説に溢れている。 感覚的なので、論証は出来ない。その意味で、他者を拒絶する。
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一九六一年の「美について」から七七年の大作『本居宣長』をめぐる対論まで全五回の対話と関連作品を網羅する。文庫オリジナル。〈解説〉平山周吉
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