人妻手記 旦那しか知らない秘蜜にたっぷり…… の商品レビュー
シチュエーションプレイ集として読むべきか
いわゆる実録体験モノというか実話モノといった類いは他のレーベルからも出ており、以前は自分もよく読んでいた。今回、久方振りに入手する機会があったのだが、良くも悪くもこのジャンルは普遍性があることを改めて実感した次第。AVであれば過去に「駅弁」といった発明もあったが、まぁ、基本的に男...
いわゆる実録体験モノというか実話モノといった類いは他のレーベルからも出ており、以前は自分もよく読んでいた。今回、久方振りに入手する機会があったのだが、良くも悪くもこのジャンルは普遍性があることを改めて実感した次第。AVであれば過去に「駅弁」といった発明もあったが、まぁ、基本的に男女の営みが古より変わらないことを鑑みれば、こうした体験手記もまた変わらないのであろう。 そもそも本当に一般の方から寄せられた手記なのか? 手記の体裁で執筆されたフィクションではないのか? といった疑念もまた以前から存在するのだが、これを追求するのは野暮というものであろう。『素人が出演!』を謳ったAVと同様かと思えば、それは割とどうでもよくなり、むしろ、どんなシチュエーションなのかに注意が向くと思われる。そうしたシチュエーションプレイ集だと思えば、投稿者として職業や年齢が付記されていることにも意味が見出せるというものである。 しかしながら、あらすじに記されているだけでも16編、実際にはさらに数編が収録されている(あらすじの「and more」は正しい)ことから大方の予想通り、1つ1つの内容は濃くない。一応の官能描写はあるものの、本作で言えば人妻が「こんな体験しちゃいました(テヘペロ)」といった事柄の羅列につき「実用性」はほぼ無いと言わねばならない。 中には男に迫られて……といった内容も無くは無いが、大半はイケメンと出会ってトキめいちゃった、もしくは不意に訪れたオジサンまたは青年とのアバンチュールを積極的に謳歌する、夫では満足できていない人妻ばかり。それはタイトルやあらすじから示唆できることであり、秘密の体験をこっそり告白している体裁であることから致し方ないのであるが、ここまであっけらかんとしていると逆に興が醒める面も否めないであろう。 腰を据えてじっくり読むと言うより、移動中の電車内などで気軽に目を通すのが本シリーズを読むに適した、読み手側のシチュエーションなのかもしれない。
DSK
- 1