ヒトラーの時代 の商品レビュー
副題にある通り ドイツ国民がなぜ独裁者に取り込まれてしまったのか? に焦点を当て、さまざまな観点から考察している。 そのため政権を取った1933年から、独裁が確立し人気絶頂だった1939年について書かれており、独裁政権の終焉には触れられていない。 メディア戦略(ラジオ)や、経...
副題にある通り ドイツ国民がなぜ独裁者に取り込まれてしまったのか? に焦点を当て、さまざまな観点から考察している。 そのため政権を取った1933年から、独裁が確立し人気絶頂だった1939年について書かれており、独裁政権の終焉には触れられていない。 メディア戦略(ラジオ)や、経済のテコ入れ、労働者層の取り込みなど、今でいうところのペルソナを意識したやり方で浮動票を味方につけていった過程が分かる。 考察メインなので何度も同じ事柄が出てくるので、ヒトラー外伝的な物語性はない。
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ヒトラー論というのはまだそれほど読んではいないが、おそらく独特な位置を占める著作のような気がする。 「ドイツ」に詳しい著者ならではだと思う。
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現代に歴史として学ぶと凄まじいことをした人だえど、 その時代には熱狂的に迎え入れられたという。 一度独裁体制ができたら突き進むのみ。 いまの日本にこういうことがないと言い切れないのが、こわい。 混沌と、混乱と、人々の不満は、恐ろしいものを生み出す可能性を秘めている。
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「えっ?」と思うことも、それは現在からみているから思うわけで、自分がその時代にいたら、例え違和感を感じたとしても長いものに巻かれていた、と思う。現在は、どうだろう。どうだろうか。
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表向き合法的に、非常に素早く、ナチスの時代になってしまったのか。 日本で、世界で、再び三度起こりうる恐ろしさを知らせていただいた。
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2019年のこの1冊(毎日新聞)に掲載されていたことをきっかけに読んだ1冊。 ヒトラーが台頭した当時のドイツの歴史的背景についてや、ヒトラー率いるナチスがどのようにして独裁政権を勝ち取り維持してきたのか、詳細ではないにせよアウトラインを十分に理解できる1冊であると思う。
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ナチス政権の樹立を描く。ドイツ文学者が生涯執筆を願っていた渾身の遺作。 ワイマール憲法下、泡沫政党だったナチが政権を掴む過程、あくまで民主的な方法によりじつげんしていく。魅入られるようにヒトラーに声援を送る第一次世界大戦の敗戦国のドイツ国民。その謎に迫っていく。 ヒトラーが4...
ナチス政権の樹立を描く。ドイツ文学者が生涯執筆を願っていた渾身の遺作。 ワイマール憲法下、泡沫政党だったナチが政権を掴む過程、あくまで民主的な方法によりじつげんしていく。魅入られるようにヒトラーに声援を送る第一次世界大戦の敗戦国のドイツ国民。その謎に迫っていく。 ヒトラーが4年で死んでいたら、全良な政治家として名を残したという旨、ある作家が言っている。アウトバーン、国民車フォルクスワーゲン、劇的な価格のラジオの開発など。 最終章ではドイツの一般人について。ごく普通の人々がナチス政権を支持し戦争に突き進む姿を想像する。 池内紀の遺作。誤りが多いというが推敲ほか遺された時間がすくなかったのだろうか。確かに複数の章で重複した記述が見受けられる。 それでも筆者のメッセージは十分に伝わってくる。
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内容よりも、訂正箇所の多さで話題の書。さらに中央公論新社のホームページから正誤表が探しづらい。本書の紹介ページからリンクを貼っておくべきだと思うが、そうなってなく探すのに苦労した。出版社側の隠蔽体質の現れとも捉えられる。その後電子書籍にもなっているようで、そちらの方は訂正がなされ...
内容よりも、訂正箇所の多さで話題の書。さらに中央公論新社のホームページから正誤表が探しづらい。本書の紹介ページからリンクを貼っておくべきだと思うが、そうなってなく探すのに苦労した。出版社側の隠蔽体質の現れとも捉えられる。その後電子書籍にもなっているようで、そちらの方は訂正がなされているのか確認していないが、私の紙の本は訂正で真っ赤だ。内容はヒトラーの登場に焦点を当てたもの。歴史学者というよりもドイツ文学者の著者が、ドイツを語る上で無視することのできないヒトラーについて、いくつかのエピソードを拾って紹介している。勉強になった。
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ナチス体制はなぜ短期間に実現したのか。国民がそれを支持し続けた理由は何か。ヒトラーの政治家デビューから人気絶頂期までを描く。
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単に泡沫政党だったナチスが一躍数年で政権を獲得し、田舎紳士のヒトラーが独裁者へ。不思議な運命であるが、メディアの把握、ペンの力、そして拷問と収容所にそのカギがあるとの著者の指摘は全くその通りだと思う。ヒトラーの時代がテレビではなく、ラジオの時代だったことがパニック、狂気を助長させ...
単に泡沫政党だったナチスが一躍数年で政権を獲得し、田舎紳士のヒトラーが独裁者へ。不思議な運命であるが、メディアの把握、ペンの力、そして拷問と収容所にそのカギがあるとの著者の指摘は全くその通りだと思う。ヒトラーの時代がテレビではなく、ラジオの時代だったことがパニック、狂気を助長させたとの説明は皮肉っぽいが実に面白いと思う。テレビであれば、さえない田舎人に映っただろうという。ヒトラーの時代に重要な政局の展開のたびごとに国民投票が実施されたとは、全く知らなかった。全く民主的な運営の元に生まれ、運営をしていたナチス政権。今、世界で、そして日本でも同じことが行われている。ナチスが権力を揮ったことが決して今後も有り得ないことではない、今の日本の動きを見ていてそう痛感せざるを得ない内容だった。ナチスは民主勢力の支持はほとんど得ておらず、その他大勢の浮動票を集めただけだったとは、喜べない過去の教訓だと思う。
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