塔に囚われた花嫁 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かったです。 海で意識を失って漂っている王子を若い女性が泳いで助ける-、冒頭のシーンはまさに童話の「人魚姫」を連想しました。 作者もそれを念頭において描いているようで、物語り内でも何度か「人魚姫みたい」と登場人物が語っている場面があります。 ヒロインのジョゼフィーヌは孤島で火山学者の父と二人暮らし、自身も火山を愛する科学者であり、どこか浮世離れした純情な女性です。 世間知らずともいえるのですが、少しも嫌みではなくむしろ、そこが彼女の長所として描かれ、思いやりに溢れた優しい女性として好感度が高く感じました。 彼女に助けられた皇太子アレクサンデルもまた誠実な男性です。(ただ、挙式直前に別の女性-ジョゼフィーヌを妊娠させて婚約解消された王女様の立場では、そうもいえないでしょうが、ジョゼフィーヌと一線を越えたとき、彼は海難事故で記憶を失い、婚約者がいることも挙式間近であることも覚えていなかったので、これはまぁ不可抗力といえるるでしょうか) タイトルの「塔に囚われた花嫁」というのは、内容的には少し違っており、あくまでも一時的にほんの少しだけのことです。 主役の二人ともが好もしい人物だったので、ラストまで気持ち良く読めました。
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