虚妄のAI神話 の商品レビュー
著者はフランス人なのだが、そもそも一般的なふわっとした日本人の考えるシンギュラリティが、西欧のそれとかけ離れているのではないかと思った。 それは置いておいて、内容はシンギュラリティがなぜ来ないのかという事を科学的な理屈と、人間の心理の問題として説明する。また、なぜグーグルを筆頭と...
著者はフランス人なのだが、そもそも一般的なふわっとした日本人の考えるシンギュラリティが、西欧のそれとかけ離れているのではないかと思った。 それは置いておいて、内容はシンギュラリティがなぜ来ないのかという事を科学的な理屈と、人間の心理の問題として説明する。また、なぜグーグルを筆頭とした巨大企業がシンギュラリティの到来を喧伝するかという考察もあり、納得できる内容だった。
Posted by
シビュラシステムの様な世界がすぐそこまでという印象は確かに強く不可避なイメージがある。 そういうSF的、大企業、既得権益層的発信に疑義を挟む。前提がそもそも過大に語られていることへの警鐘として受け取れたかな。 可能かもしれないがかなり難しいのでは? という冷静な感じがする。
Posted by
カーツワイルのシンギュラリティ論への批判。 シンギュラリティ論の欠点を指摘している点はあるものの、この批判自体にどれほど効果を現実社会に与えるのか不明。もちろんシンギュラリティの考え方の存在自体に有害性があるとする場合、これへの牽制と言う面があるが。
Posted by
シンギュラリティ仮説に対して疑問を呈するものであるが、そもそも人間の知能を超えるかどうかという論題は、技術的な問題に加え哲学的な考え方が必要になるということになろうか。
Posted by
SFで題材にされることの多いAIの反乱。映画でも「ターミネーター」などで使われてきた。その中ではAIが人類を超える時、特異点・シンギュラリティが必ず語られており、ホーキング博士もAIが人類を超える日を恐れていた。 本書ではAIとシンギュラリティの可能性について検証している。 ムー...
SFで題材にされることの多いAIの反乱。映画でも「ターミネーター」などで使われてきた。その中ではAIが人類を超える時、特異点・シンギュラリティが必ず語られており、ホーキング博士もAIが人類を超える日を恐れていた。 本書ではAIとシンギュラリティの可能性について検証している。 ムーアの法則などを検証してていく過程などが非常に面白い。専門的な話が多いが概要は理解出来たと思う。 何故シンギュラリティがこんなに語られるようになったかの視点は無かったのでその検証は興味深かった。
Posted by
フランス人哲学者による、巷で騒がれるシンギュラリティに対して疑問を呈する著作。 シンギュラリティという言葉はもはやバズワードとなりつつありますが、筆者はその背景にハイテク企業による傲慢、不安、そして目くらましがあると説きます。 ムーアの法則が永遠のものではないことは少し考えれば分...
フランス人哲学者による、巷で騒がれるシンギュラリティに対して疑問を呈する著作。 シンギュラリティという言葉はもはやバズワードとなりつつありますが、筆者はその背景にハイテク企業による傲慢、不安、そして目くらましがあると説きます。 ムーアの法則が永遠のものではないことは少し考えれば分かりそうですが、それをもってシンギュラリティは幻想だと言えるのか。個人的にはシンギュラリティはSFの題材としては面白いと思っているので、色々とニュースなどを追ってはいるのですが、なかなか先行き不透明感が強いようです。ただ、GAFAなどのハイテク企業は利益追求のために、シンギュラリティに至る技術を開発、それを独占しようとする動機はありそうです。 人文系の教養の高さが時折伺える筆運びです。日本ではそれほど多くないタイプの知識人で、フランス人らしさを感じました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シンギュラリティとかあり得ないよね!シンギュラリティが来るっていってる著名人の主張、「著名」に欺されないで良く効くと変だよねって。 ただ、最終章の「何故、シンギュラリティが来ると主張しているのか?」についての問いは、メチャクチャだったね。だからフランス人はダメなんだよって感じで(偏見
Posted by
ムーアの法則の行き着く先にシンギュラリティ(技術的特異点)があるという仮説が巷間喧しい。本書は副題が「シンギュラリティを葬り去る」となっているから、その「化像」を各方面から分析し、その帰結に疑問を呈する警告の書である。かといって、著者はシンギュラリティそのものを否定している訳では...
ムーアの法則の行き着く先にシンギュラリティ(技術的特異点)があるという仮説が巷間喧しい。本書は副題が「シンギュラリティを葬り去る」となっているから、その「化像」を各方面から分析し、その帰結に疑問を呈する警告の書である。かといって、著者はシンギュラリティそのものを否定している訳ではなく、現今の超大企業群がそれに託けて技術的、政治経済的な支配を指向しつつある兆候に警告を与えているのだ。シンギュラリティ仮説をグノーシス主義に例えるなど、いかにも西欧の論者らしい。
Posted by
- 1