椎名誠[北政府]コレクション の商品レビュー
シーナワールドの真骨頂である、北政府ものと呼ばれる短編集。 灰汁と百舌を始めとした人々が、戦後の狂った世界を逞しく生きていく。 豊富な語彙から生み出される奇妙な単語の数々が、実に心地良い。
Posted by
椎名誠さんの[北政府]コレクション読了。学生の頃にシーナさんのSF3部作を読んでから、このはちゃめちゃでエネルギッシュな世界観にぎゅっと心臓を鷲掴みにされたまんまだ。気づいたらこの近未来的な作品群は結構な割合で手に取っていた。シーナさんのSFは、我々が居る日常から主人公たちがいつ...
椎名誠さんの[北政府]コレクション読了。学生の頃にシーナさんのSF3部作を読んでから、このはちゃめちゃでエネルギッシュな世界観にぎゅっと心臓を鷲掴みにされたまんまだ。気づいたらこの近未来的な作品群は結構な割合で手に取っていた。シーナさんのSFは、我々が居る日常から主人公たちがいつのまにか特異な世界に放り込まれていた、といった設定ではなく、そこの住人にとっての日常が描かれているのが大きな特徴だ。彼らにとっての当たり前の世界だから特段説明がない。僕らがあれこれ想像するしかない。多分こんな感じだろうな、と想像しながら読むのは慣れるまで大変かもしれないが、あんがいいい加減に読んでてもだいたい辻褄が合うんじゃないかと思いながらいつも読んでいる。ただただ灰汁や百舌が逞ましく、狡猾に生きていく様がとにかく好きだ。あとなんとなく作品全体にまとわりつく熱っぽく暑苦しい空気感も好きだ。 あと『北政府もの』といいつつ一向に北政府の概要が見えてこないところも好きだ。
Posted by
- 1