本の雑誌 金魚鉢ひんやり号(434号 2019-8) の商品レビュー
この号の特集「ゴーストライターの世界へようこそ」はちょっとした衝撃だった。出版業界の方たちにとってはまあ常識というか当たり前のことのようだが、素人にとっては「あの名作もこのベストセラーもゴーストライターが書いてたのか!」とオドロキであった。いやまあ芸能人とかの本は十中八九そうであ...
この号の特集「ゴーストライターの世界へようこそ」はちょっとした衝撃だった。出版業界の方たちにとってはまあ常識というか当たり前のことのようだが、素人にとっては「あの名作もこのベストセラーもゴーストライターが書いてたのか!」とオドロキであった。いやまあ芸能人とかの本は十中八九そうであろうとは思っていたけど、こんなにシステマティックに作られていたとはねえ(その中で郷ひろみ「ダディ」だけは「あんな(ヘンな)比喩はプロなら使わん」という理由で本人執筆認定されていて、笑った)。 芸能本はともかく、よく知られた作家のものにも、ゴーストというか代作が結構あって、それが特に問題でもなかったというのに恐れ入った。だって出てくる名前がすごいんだもんね。へぇ~誰のどの作品?と興味のある方は、ゴーストライターによる匿名座談会と、小谷野敦「文豪とゴーストライター、または代作」を読まれたし。 また、今号ではもう一つ、心から「うんうん!そうだよ、そうだよね!」と思う記事があった。原カント「あれこれ雑誌放題」という連載で、「エトセトラ」創刊号が紹介されているのだが、この雑誌は毎号責任編集者が交替するそうで、この号の田房永子さんが選んだテーマは「コンビニからエロ本がなくなる日」。「男性・女性問わず、肯定・否定を問わずフラットな投稿が記録されている」とある。 そのなかで原さんが「興味深く読んだ」と書いているのが、36歳女性の「どうしてこんなに男の性欲は優遇されているのだろう」という投稿と、武田砂鉄さんの寄稿「『オレ』が思うとおりにならない社会を」の二つ。「砂鉄さん曰く、日本社会には『オレがこう思うんだからこうだろ』というマッチョな人達が一定数おり、コンビニという公共のど真ん中に女性を商品としたエロが置かれていることが、ある意味で彼らのメンタリティを支えているのではないか、と指摘している」 日頃モヤモヤと思っていたことが言葉になっていて、心に強く響いた。
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ゴーストライター特集に惹かれて買いました。一時期、ゴーストライターやりたいな、などと思っていたので。読んでみると、企画によって仕事の範囲が違うなど、やはりどの世界も大変なんだなあと。小説のゴーストライターには触れていませんでしたが、機会があれば是非そちらの特集もお願いしたいです。...
ゴーストライター特集に惹かれて買いました。一時期、ゴーストライターやりたいな、などと思っていたので。読んでみると、企画によって仕事の範囲が違うなど、やはりどの世界も大変なんだなあと。小説のゴーストライターには触れていませんでしたが、機会があれば是非そちらの特集もお願いしたいです。新刊めったくたガイドも大変面白く、ためになりました。
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