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名探偵ピカチュウ の商品レビュー

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2020/05/23

『名探偵ピカチュウ』は『ポケットモンスター』の実写ハリウッド映画。ポケモンと人間がパートナーになっている街ライムシティを舞台とする。日本のゲームのポケモンは人間に使役される存在であった。『名探偵ピカチュウ』にはポケモン愛護精神がある。このような作品が日本ではなく、アメリカで登場し...

『名探偵ピカチュウ』は『ポケットモンスター』の実写ハリウッド映画。ポケモンと人間がパートナーになっている街ライムシティを舞台とする。日本のゲームのポケモンは人間に使役される存在であった。『名探偵ピカチュウ』にはポケモン愛護精神がある。このような作品が日本ではなく、アメリカで登場したことが興味深い。 ステレオタイプな日本人論では、欧米人は家畜や実験動物を完全に物と見るが、日本人は名前を付けると語られがちである。しかし、現代日本ではペット引き取り屋が社会問題になった。日本人が動物に愛情を持っていると語られるが、都合よく利用しているだけないか。動物愛護精神はアメリカの方が進んでいる。そもそも動物愛護という言葉が人間本位である。英語ではAnimal Rights(動物の権利)と動物本位の発想になっている。 『名探偵ピカチュウ』のピカチュウは探偵である。警察に批判的である。「警察が言っているから信じるのか」「警察は信用できない」との台詞がある。探偵が活躍する探偵物は需要がある。それは警察が無能だからである。ピカチュウは飴と鞭の尋問をしようとする。これは自白強要の警察の手口の風刺になる。 『名探偵ピカチュウ』にはポケモンの思考を混乱させ、自由意思を喪失させ、凶暴化させる恐ろしい薬物が登場する。これは危険ドラッグなど依存性薬物のアナロジーになる。薬物中毒者は依存性薬物を摂取する時は気持ち良いとされるが、実際は『名探偵ピカチュウ』のように混乱させられているだけではないか。薬物の売人に利用されているだけではないか。依存性薬物の非人間性を示す作品である。 ゴジラのハリウッド版を観ると日本人とアメリカ人のセンスの違い、ギャップを感じてしまう。これに対して『名探偵ピカチュウ』を観るとカワイイの感覚は日米で同じと感じる。

Posted byブクログ