スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
軽い感じで読み進められる連作短編集。でも実は根底に流れるのはいなくなった家族への想い。一つ一つの謎よりも、いなくなった弟が生きていてお兄ちゃんと遊びたがっている『かもしれない』っていうラストが何より衝撃的だった。
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涼は会社が倒産し路面電車の走る町良へ移り住む。弟は12年前海で行方不明。「兄ちゃんが明智小五郎になったら僕は怪人二十面相になる」約束通り探偵事務所を開く。最終話、死んだはずの弟の言葉が現実味を帯びる。
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東京・足立区町良で起こる怪事件を解決する探偵とその助手たちの話。章頭に江戸川乱歩の作品の一部が掲載されているので、昭和レトロな雰囲気が心地良い。語り手の"ツッコミ"が少々煩わしく感じるかも。
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推理作家の父の蔵書管理のために訪れた下町で、なんだかんだで探偵事務所を開くことになっちゃった男のお話。 短編6作品。 軽快でユーモアと人情味たっぷりの一冊です。 主人公の流されやすいとことか、父親の気ままさとか。 下町っぽい登場人物たちとか、読んでてイヤな気分になるところがひ...
推理作家の父の蔵書管理のために訪れた下町で、なんだかんだで探偵事務所を開くことになっちゃった男のお話。 短編6作品。 軽快でユーモアと人情味たっぷりの一冊です。 主人公の流されやすいとことか、父親の気ままさとか。 下町っぽい登場人物たちとか、読んでてイヤな気分になるところがひとつもない楽しいミステリーものでした。
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町のあちこちで空き缶と一緒に置かれたレモンが見つかり…。なりゆきで探偵になった黒葛原涼、通称“スズメ”が、下町で起きた6つの怪事件に挑む。 東京荒川区町屋?が舞台と思われる物語。殺人事件が起こるわけでもなくいうなれば日常の謎系のストーリー。ただ登場人物のキャラがたっていて映像化...
町のあちこちで空き缶と一緒に置かれたレモンが見つかり…。なりゆきで探偵になった黒葛原涼、通称“スズメ”が、下町で起きた6つの怪事件に挑む。 東京荒川区町屋?が舞台と思われる物語。殺人事件が起こるわけでもなくいうなれば日常の謎系のストーリー。ただ登場人物のキャラがたっていて映像化しやすそう。弟のミステリーなど、続編への橋渡し的な終わり方だった。 (Ⅽ)
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【内容】江戸川乱歩が好きだった男が雰囲気のある町に定住したら、なりゆきで探偵稼業をやらされることになった。 【感想】ミステリ成分は少ない。が、ユーモラスな気分と、町のおもしろそうな雰囲気とか、できごとの江戸川乱歩っぽいええかげんさはあって、そこがいい。 本当にたまたま最近『憧れの...
【内容】江戸川乱歩が好きだった男が雰囲気のある町に定住したら、なりゆきで探偵稼業をやらされることになった。 【感想】ミステリ成分は少ない。が、ユーモラスな気分と、町のおもしろそうな雰囲気とか、できごとの江戸川乱歩っぽいええかげんさはあって、そこがいい。 本当にたまたま最近『憧れの少年探偵団』という本を人に借りて読んだばかりだったが、ぼくとしては『スズメの事ム所』の方が相性がいい感じ。続編希望。 それにしても、本って高くなったなあ。この本のつくりでメジャー出版社やからぼくのイメージでは980円ってとこやけど1850円で倍近くするもんなあ。買うてられへんワ(これは図書館で借りました、スンマヘン)。 ▼スズメの事ム所についての簡単なメモ 【荒川超絶職人】荒川で一番なら東京で一番の職人と言っても過言ではないらしい。山下さんちのおばあさんは羽子板職人で新井さんちのおばあさんは和裁職人で武見さんは額縁職人。すでに七十人ほどが登録されている。 【荒川メルヘンランド】意外に人気のある遊園地。 【椅子】涼が気に入って購入したが大きすぎて窓から入れるためトモエの世話になったせいでカマイタチを追うことになった。中に人間が入っているかどうかは不明だが少なくとも人が一人ついてきたとは言える。 【江藤萬/えとう・よろず】「てんぷらの江藤」の次男。町おこししたがっている。その一環で自分はカレーパン屋を開きたい。通称マンショ。後の少年?探偵団?の一員? 【翁月子】長一郎の娘。日出代とは双子。縦巻きロール。 【翁長一郎】扇形のレトロなビルのオーナー。玲の本を預かってくれる。涼はそこで探偵事務所を開くことになる。 【翁日出代】長一郎の娘。月子とは双子。シャープな感じ。 【おやど】翁姉妹がやってる喫茶店。ビルの一階にある。 【カマイタチ】連続ひったくり犯。サッちゃんの持ち物を奪った。マウンテンバイクを駆使しているらしい。 【キク子】パンのしげやまの人。トモエの友人? 意外にハスキーな声。 【小森流華】青年。とある事件の容疑者というか。小学生のときに単身アメリカに留学させられて最近戻ってきた。後の少年?探偵団?の一員?小林少年? 【サイクル鈴本】涼が椅子と出会った店。今はリサイクル鈴本? 【サッちゃん】ひったくりにあった。トモエの友人? 【スキマ男】心の中の隙間を埋めるためになにかをしてしまう。 【セカイ】人から暴行を受け涼が保護した猫。すごい雑種は町良を象徴してるようでもある。今は探偵事務所で同居中。 【タツ子】てんぷらの江藤をやってるオバチャン。涼はそこの三色のかきあげ通称信号揚げが好物。 【黒葛原甘/つづらはら・かん】涼の弟。子どもの頃「つづらはら探偵事ム所」と手書きした白い板をプレゼントしてくれた。12年前20歳のとき海で行方不明。 【黒葛原涼/つづらはら・すずむ】主人公。職歴は新聞記者→不動産屋の営業→探偵? ニックネームは常にスズメ。身長185cmある。 【黒葛原玲/つづらはら・れい】父親。ベテランのミステリ作家。家を処分することに決めたが膨大な蔵書を手離す気はない。 【都留木雅哉/つるぎ・まさや】関西の企業ツルギフーズの社長。 【鉄仮面】焦って逃げるときにうっかり植木鉢を割った怪人。 【トモエ】えらそうなオバチャン。通称トモエ御前。スナック「マリアの泉」を経営してる。 【B・B】探偵のライバル怪盗?ブルーバルーン(青い風船)の略かもしれない。 【弁財湯】行きつけになった銭湯。 【町良/まちら】荒川区にある。鉄仮面が出たり心霊科学研究所があったりする。道がごちゃごちゃして複雑で古い建物(文化財系というのではないが)がたくさん残ってる。 【三和根自子】無給でいいからと探偵事務所の事務員になりに押しかけてきた女性。その理由が、涼が購入した椅子を前々から店頭で利用し気に入っていてその椅子と別れたくないからというもの。最終的に事務所(というか元々書庫)に居着き好きな椅子を涼に明け渡そうともせず安楽に腰掛け本を読みながら暮らしている。事務員ないしは探偵助手とは言え無給なのでちょっと変わった友人という扱い。ちなみに容姿は涼のどストライク。通称ネジ子さん。猫のことをニャントラ星人と呼ぶ。暑さに弱く、クーラーを賛美する。涼の推理もネジ子さんの的確なアドバイスがあったればこそ。終わコン旅行が好き(終わったコンテンツを意味し、すでに盛りを過ぎて寂れている場所を旅行すること)。 【むささび】行きつけになった居酒屋。弁財湯の帰りに寄る。女将は還暦を過ぎ板前の旦那は四十そこそこのカップル。
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連作短編6編 昭和の匂いのする町で江戸川乱歩風の味わいのある事件が起こる.ありそうでありえないような不思議な味わいのある小説で,私はとても好きだったのでできたら続きが読みたい.
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「オロナミンCのホーロー看板」、「ビタミンCがたっぷり!プラッシー」、「りりぃ:私は泣いてます」・・・、朱川さんですから昭和の舞台は整っています。都電の走る町良(町屋でしょうw)にかまえた「つづらはら探偵事務所」の物語です。6話のうち、前半はまずまず楽しめましたが、後半は「?」で...
「オロナミンCのホーロー看板」、「ビタミンCがたっぷり!プラッシー」、「りりぃ:私は泣いてます」・・・、朱川さんですから昭和の舞台は整っています。都電の走る町良(町屋でしょうw)にかまえた「つづらはら探偵事務所」の物語です。6話のうち、前半はまずまず楽しめましたが、後半は「?」でした。朱川さん、頑張って下さい! 「スズメの事ム所」、2019.7発行。
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まず、表紙のデザインにピンと来るものがあり(僕らは少年~的な)、興味を持ちました。内容としては、人付き合いの温かさあふれる下町で起こる、ちょっと不思議な事件を解決していく連作もので、主人公はじめ、登場するキャラクターが、皆、個性的で楽しく読むことができました。本格的な推理ものを期...
まず、表紙のデザインにピンと来るものがあり(僕らは少年~的な)、興味を持ちました。内容としては、人付き合いの温かさあふれる下町で起こる、ちょっと不思議な事件を解決していく連作もので、主人公はじめ、登場するキャラクターが、皆、個性的で楽しく読むことができました。本格的な推理ものを期待している方には、物足りないと思うかもしれませんが、私は、単純に物語と雰囲気を味わうことで、楽しい時間を過ごせました。こんな町に住んでみたい。続編を期待してます。
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初出 2016〜17年「オール讀物」の連続6話 作者らしいこの世の者ならぬ不思議系のものは登場せず、乱歩へのリスペクトたっぷりの下町人情系ミステリー。 推理小説作家の息子黒葛原涼(つづらはらすずむ、スズメがあだ名)は勤務先が倒産し、父親が自宅を処分してサ高住に移るために、膨大...
初出 2016〜17年「オール讀物」の連続6話 作者らしいこの世の者ならぬ不思議系のものは登場せず、乱歩へのリスペクトたっぷりの下町人情系ミステリー。 推理小説作家の息子黒葛原涼(つづらはらすずむ、スズメがあだ名)は勤務先が倒産し、父親が自宅を処分してサ高住に移るために、膨大な蔵書の預け先荒川区町良の喫茶店のあるビルの二階に居着くが、都電が走る昭和のにおいたっぷりの町で鉄仮面目撃情報があり、ネットを駆使して真相を明らかにしたために、父親のファンであるビルのオーナーは彼を「探偵」と認め、口コミで事件を集めてくる。 購入した一人掛けソファーの縁で美しい才女が無給の助手として書庫兼事務所に来るようになり、ひったくり犯のプロファイルを推理して取り押さえ、傷つけられた猫(ニャントラ星人セカイと呼ばれる)を助け、殺傷能力のある武器で猫を傷つけた小学生の追い詰められた状況を塾の教師に伝える。 対面販売の小さな天ぷら屋の守り神である人形が行方不明になるが、そのありかを推理して、町に住む人々の生活を理解し、信頼を得ていく。 夜のビルをボルダリングでよじ登り、関西限定のドリンクの空き缶の上にレモンを置く人物を推理して待ち構える。事件ではないが、下町らしい人の繋がりがどんどん増える。 謎のチンドン屋が勝手に探偵事務所を宣伝し、同時に「忘れられた町の宝を奪う」と挑戦してくる。 チンドン屋の正体は直ぐに気付くのだが、最後になって全てが最初から仕組まれたものではないのかという疑念がわく。続編はあるのか?
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