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世界の根源 の商品レビュー

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2020/03/28

『身ぶりと言葉』のルロワ=グーランさんのインタビュー本。 最初の数章は氏の少年時代から学問に進んだ経歴などが明かされており、それはそれでなかなか興味深い。 途中からは本来の先史学・人類学のテーマで知的に高度な発言が連発される。 110ページ以降の絵文字と神話文字との対比に関する論...

『身ぶりと言葉』のルロワ=グーランさんのインタビュー本。 最初の数章は氏の少年時代から学問に進んだ経歴などが明かされており、それはそれでなかなか興味深い。 途中からは本来の先史学・人類学のテーマで知的に高度な発言が連発される。 110ページ以降の絵文字と神話文字との対比に関する論述が面白かった。神話的なものを時系列に規定されないイメージと捉えるというのは魅力的な考え方だ。この考え方を勝手に延長して、小説は一般に現実的な事象の継起を追っているだけだが(出来事の次元)、主題なり何らかの形象がしばしばおおきなイメージと結びつく時は「神話」化される。一方音楽においては、本来原因-結果の関係に基づかなくても要素は連続されうるのであり、時間軸上の構成を脱却した場合には、最初から神話的であることが可能なのかもしれない。・・・などと、思考を遊ばせてしばし楽しんでしまった。 本書は、ちょっと残念なのはインタビュアーであるロケさんの企図がしばしば空回りしてしまっていることで、ルロワ=グーランさんがさして興味を持っているわけではない文学の話を始めようとすると、すぐに話が逸れて、滑ってしまう。 「道具/技術」についてのルロワ=グーラン氏の知見は確かに重要なところを突いているような気がする。ただしその知見の詳細を知りたければ、やはり『身ぶりと言葉』を読み返すべきだろう。

Posted byブクログ

2019/12/31

原書名:LES RACINES DU MONDE 人間、ごく当たり前に 出立から 日本の憶い出 中国 神話文字・絵文字・造形表現 文学について 知の構築 博物館のことども 自画像 悦びの力 先史学・歴史学・民俗学 パンスヴァンにて 著者:アンドレ・ルロワ=グーラン(Leroi...

原書名:LES RACINES DU MONDE 人間、ごく当たり前に 出立から 日本の憶い出 中国 神話文字・絵文字・造形表現 文学について 知の構築 博物館のことども 自画像 悦びの力 先史学・歴史学・民俗学 パンスヴァンにて 著者:アンドレ・ルロワ=グーラン(Leroi-Gourhan, André, 1911-1986、フランス・パリ、歴史学) 訳者:蔵持不三也(1946-、日光市、文化人類学

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