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オープンダイアローグがひらく精神医療 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2021/11/27

「オープンダイアローグ」は興味のあるところで、精神疾患の治療という文脈ではなくて、対話をより深めるという面で多くのヒントがあって、共感するところも多い。 というわけで、日本語ででているものは、一通り読んでいるつもりだが、これまで、わかったようで、完全にわかった気になれなかった。...

「オープンダイアローグ」は興味のあるところで、精神疾患の治療という文脈ではなくて、対話をより深めるという面で多くのヒントがあって、共感するところも多い。 というわけで、日本語ででているものは、一通り読んでいるつもりだが、これまで、わかったようで、完全にわかった気になれなかった。 もちろん、本で読むだけではわかるはずもなく、体験が大事なのだろうが、ちょっと体験してみようかなと思う感じはなかった。 が、これを読んで、やっとわかった気になってきた。 多分、第4部の「人間回帰としてのオープンダイアローグ」がやや哲学オタク的に、オープンダイアローグとラカン派の精神分析やポストモダン的な思想との関係など、理論的なところを整理してくれたからかな? やっぱ、自分は、こうした理論的基盤がわからないとなんらかの手法がわかった気にならない人なんだなと思った。 著者がオープンダイアローグについて書いたいろいろな原稿をまとめたものなので、内容のダブりが多いのが気にはなるが、どこから読み始めてもいい、ということかもしれない。 著者の語りが、ときどきモノローグ的な対話原理主義的に思えてしまうというのは、わたしの偏見か?

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2021/05/09

内容に重複部分が多くて、少し読みにくかった部分はあります。著者が通じて書いた本があれば、読みたいと思います。

Posted byブクログ

2021/03/08

かねてより興味のあったオープンダイアローグである。 ぜひともノウハウを学んで、現場で活かしたい!と、半年がかりで30万円くらいかかる研修も受けようかとさえ思っていたオープンダイアローグ。 日本における第一人者の著者の本とあって、とても楽しみに手に取った。 オープンダイアローグに...

かねてより興味のあったオープンダイアローグである。 ぜひともノウハウを学んで、現場で活かしたい!と、半年がかりで30万円くらいかかる研修も受けようかとさえ思っていたオープンダイアローグ。 日本における第一人者の著者の本とあって、とても楽しみに手に取った。 オープンダイアローグにおけるルールや、簡単な研修の手順などが巻末に付記され、オープンダイアローグによる改善の事例なども多少紹介があった。哲学者の村上氏との対談の中にも、これはと思う考察もあったりしてそれなりに興味深く読めたのだが、本書は何かに寄稿したものを集めたのだろうか?同じ記述が何度も繰り返し出てくるのに少々辟易。またオープンダイアローグに関する学術的な考察の数々も、もちろん著者の専門だし、『オープンダイアローグがひらく精神医療』という本なのだから当然といえば当然なのだが、私個人としては、ラカンやウィニコット等々、お偉い先生方の論考は全く興味がないのでなんとも読むのが辛かった。あえてわかりにくい単語を選んでいるのではと思いたくなるような著者の叙述。まあ、難解なのですよ。これ、ここで書かないといけないのかな、と。私が無知なので仕方ないのですけれども。 というわけで、わくわくして読み始めたのですが、自分が読みたかった、こんなふうに実行してこんな風に効果が現れ、こんなふうに有効で素晴らしいんですよ!という中身は少なく。 不勉強な私のせいですね。

Posted byブクログ

2024/05/03

具体的なイメージが湧いて読みやすかった。 斎藤先生の「個人精神療法は異常」という意見が清々しい。 転移・逆転移は副作用というのも。 今までずっとモヤモヤしてたのがスッキリした。 精神病に「聖なるスティグマ」性を持ってしまっているという意見もすごく納得。 オープンダイアローグは...

具体的なイメージが湧いて読みやすかった。 斎藤先生の「個人精神療法は異常」という意見が清々しい。 転移・逆転移は副作用というのも。 今までずっとモヤモヤしてたのがスッキリした。 精神病に「聖なるスティグマ」性を持ってしまっているという意見もすごく納得。 オープンダイアローグは「治療的民主主義」が機能できる仕組みと理論があり、理想を実現できるんだなと思った。

Posted byブクログ

2019/11/04

対話の可能性を感じる内容。 オープンダイアローグの手法としての柱はミーティングとリフレクティングの2つ。 ミーティングは被治癒者と医療チームとの対話の場。治療として実施するにも関わらず、対話の目的を治療ではなく対話の継続性におくことも面白い。あくまで起こる結果は対話の副産物。...

対話の可能性を感じる内容。 オープンダイアローグの手法としての柱はミーティングとリフレクティングの2つ。 ミーティングは被治癒者と医療チームとの対話の場。治療として実施するにも関わらず、対話の目的を治療ではなく対話の継続性におくことも面白い。あくまで起こる結果は対話の副産物。 医療以外の場でも、”対話”といいつつ相手を変えたい方向性が下心として意識してしまうことままあるので、相手の主観における世界観を理解するというスタンスで、”ただ対話を続ける”ことにフォーカスするという考え方はよいかもしれない。変化への抵抗は求めるから起こるのかも。 リフレクティングは、被治療者の治療方針について治療チームがディスカッションするのを被治療者がいる開かれた状況で実施するという場。誰かのためにやることをその誰かがいないところで隠れて決めるというのは確かに信頼には結びつかない。この場において、被治療者は当事者にして第三者。 医療の現場にいるわけではないけど、対話を知り、実践するためにオープンダイアローグについてより深く知りたくなった。

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2019/09/19

我が国でODを導入し実践されている第一人者である。その導入期からの文献を整理・編集した書籍で、著者自身の臨床経験の深まりだけでなく、研究会も含めて我が国での実践が深まる事も含めて、ODに対する著者自身の姿勢の変化も見れて、読んでいて興味深かった。著者はもともとラカニアンだったそう...

我が国でODを導入し実践されている第一人者である。その導入期からの文献を整理・編集した書籍で、著者自身の臨床経験の深まりだけでなく、研究会も含めて我が国での実践が深まる事も含めて、ODに対する著者自身の姿勢の変化も見れて、読んでいて興味深かった。著者はもともとラカニアンだったそうだが、全く筋違いのODにハマってしまったので、ラカンからの決別宣言のようなものも書かれていて興味深かった。村上靖彦氏との対談もラカンについての対話が1/3位を占めていたので、ラカンやそれに付随する哲学的素養がないので、理解をしにくかったが、それを抜きにしても面白かった。最後に日本でのガイドラインが記載されているので、とりあえず始めてみようかと思う人にとっても良い羅針盤となると思われた。

Posted byブクログ