ハビタ・ランドスケープ の商品レビュー
あとがきのあと「ハビタ・ランドスケープ」滝澤恭平氏 五感動員 水のある風景巡る 2019/8/3付日本経済新聞 朝刊 地形図を読み、土地の起伏を感じながら歩き、地元の人の話に耳を傾ける。3年半かけて東北から九州まで全国37地域の「水のある風景」を訪ねて回り、一冊の探訪記に仕...
あとがきのあと「ハビタ・ランドスケープ」滝澤恭平氏 五感動員 水のある風景巡る 2019/8/3付日本経済新聞 朝刊 地形図を読み、土地の起伏を感じながら歩き、地元の人の話に耳を傾ける。3年半かけて東北から九州まで全国37地域の「水のある風景」を訪ねて回り、一冊の探訪記に仕立てた。 「若い人たちの関心が向いている〈地域デザイン〉と、自然環境やランドスケープという分野をクロスさせたい」との思いを結実させた。表題にある「ハビタ」は生物の生息環境である「ハビタット」の略だ。生物や人の営みは複雑に風景を形作っている。 東京・渋谷のスクランブル交差点下を流れる渋谷川については南下する流れを追った。川沿いで防災倉庫の隣に置いているみこしを見つけた。「水辺は災害が多い。コミュニティーが祭りの時に集結して結束を確認したのだろう」と都市の風景を結びつけていく。 地面に耳をつけ、暗渠(あんきょ)を流れる水の音を確かめることも。「周りから奇異な目で見られるのは慣れっこです」と苦笑いするが、「風景に何かしらの痕跡を見つけていくのは楽しい。気づくことはエンターテインメントだと思う」と強調する。 大阪出身で高校生の時は阪神間の夙川によく通った。「河川と公園と街が一体となった風景がどうして、こんなに気持ちがいいんだろう」と感動し、心に強く残った。 東京で就職して、杉並区の善福寺公園近くに引っ越したときのこと。園内を散策していると「池と水生植物、樹木しかない、武蔵野の原風景を思わせる風景に出くわした」。心が動き28歳で工学系の大学に入り直し、ランドスケープの道に進もうと決めた。 「ランドスケープは土地の地形や植生、その上で人がどういった活動をしてきたのかを読み解くジャンル」という。2015年には水辺空間をデザインする会社を立ち上げた。「高度経済成長期に見捨てられた河川空間に、自然と触れあうワクワクや喜びを取り戻したい。みんながランドスケープに関わって考えることが大切」と呼びかける。(木楽舎・1800円) (たきざわ・きょうへい)1975年生まれ。阪大卒。編集者からランドスケープデザイナーに転職。国や自治体、民間による多くの河川活用プロジェクトに関わる。
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パラ見。どんなもんかなと思ってたら至極真面目で、最近の人が昔から言われてるランドスケープを最近の言葉とクロスオーバーして表現してくれるので分かりやすいところもあり。大体字が小さすぎる。ソトコトで連載持ってるそうで、そういう系。
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