フラックスマン・ロウの心霊探究 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
この物語の世界では幽霊は存在している。その上で、幽霊がなぜその霊現象を起こしたのかを、ある意味逆説的だが、理論的に解明していくというのがメインプロット(例えば井戸から毎晩皿を数える声がするのは、生前大事な皿を割ってしまい殺されて井戸に投げ込まれた女性がいて、彼女が幽霊となって井戸にとりついているからと解くという具合)。今までに出会ったことのないこの視点は楽しかったのだが、いかんせんこの長さの短篇では一つのアイディアを軽く処理するので精一杯という感じで物足りなさが残る。その上後半になると幽霊の関係していない自然現象を扱ったり、能力者とのバトルになったりして、ひょっとしたら著者もこの方向で書くのは難しいと思ったのかも知れない。ナイトランド叢書を好んで読むような人であれば楽しめること間違いないのだが、この手の小説を読まない人にはあえてお薦めはしません。
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『ナイトランド叢書』最新刊。 ホームズと同時期に人気だったオカルト探偵もの。古き良き探偵小説+古典オカルトという好きな人にはたまらない作風。今となっては特に怖くもないのだが、こういう雰囲気はこの時代にしか書けなかったんじゃないか。あと、母と子の合作というのも珍しい。
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