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さよならの儀式 の商品レビュー

3.2

135件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    66

  4. 2つ

    19

  5. 1つ

    3

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2019/07/29

SFの短編集。 最初の物語はえ?その後どうなんの??やっぱ短編は嫌いだと思い 2作目、3作目はなんとなくどこかで起こってそうな不気味さに。。。 4つめは表題作。こんな時代が来るのは怖いなと思いつつ 5作目。一気にSF化した感?でも、人間味のあふれるお話。。かな? と、安心...

SFの短編集。 最初の物語はえ?その後どうなんの??やっぱ短編は嫌いだと思い 2作目、3作目はなんとなくどこかで起こってそうな不気味さに。。。 4つめは表題作。こんな時代が来るのは怖いなと思いつつ 5作目。一気にSF化した感?でも、人間味のあふれるお話。。かな? と、安心するも、 次は、どっか~ん主人公が悪者なんて!! 6作目でそんな気持ちをおちつかせるかのように息継ぎをして。 最終作。さすがにこの時はそのつもりで読んでるのに、実は実はの逆転の発想!?的に読み進めるほどざわざわした。 圧倒的に最終作が好き。

Posted byブクログ

2019/07/29

ちゃんとSF」を書こうと思いました。と宮部さんが書いているように、この作品集はSF短篇集で、宮部さんの「書いたらSF風味に」ではないのが残念かなあ。 作品の仕上がりは上々ですが「聖痕」のように現実にあった事件を簡単に連想してしまうのは好きではありません。「さよならの儀式」が一番心...

ちゃんとSF」を書こうと思いました。と宮部さんが書いているように、この作品集はSF短篇集で、宮部さんの「書いたらSF風味に」ではないのが残念かなあ。 作品の仕上がりは上々ですが「聖痕」のように現実にあった事件を簡単に連想してしまうのは好きではありません。「さよならの儀式」が一番心に残りましたが、いまのところ 宮部SFでは「蒲生邸事件」が一番かなあ。

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2019/07/27

母の法律/戦闘員/わたしとワタシ/さよならの儀式/星に願いを/聖痕/海神の裔/保安官の明日 心が軋む、ほっとする事もあるけれど、何かが凝っている。読み返すうちに少しはほどけてくるのだろうか。

Posted byブクログ

2019/07/21

宮部みゆき流SF8篇の寄せ集め。 相変わらずの筆力でどの作品もそれなりに読ませるがあまり統一感はなく、短編の常でもあるが結末に来て投げっぱなしのモノも。 SFという舞台装置は借りていてもその実描かれているのが「人間」なのは普段のミヤベと同じとも言える。 ロボットを題材とした表題...

宮部みゆき流SF8篇の寄せ集め。 相変わらずの筆力でどの作品もそれなりに読ませるがあまり統一感はなく、短編の常でもあるが結末に来て投げっぱなしのモノも。 SFという舞台装置は借りていてもその実描かれているのが「人間」なのは普段のミヤベと同じとも言える。 ロボットを題材とした表題作「さよならの儀式」、タイトルと相反する結末の「星に願いを」が秀作。

Posted byブクログ

2019/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 宮部みゆきさんの新刊は短編集である。初出を見ると、SFのアンソロジーに収録された作品が多い。SFの短編集なのか? 読み始めてすぐに気づく。SF的な設定の中に、極めて現代的かつシリアスなテーマを内包している。  最初の「母の法律」からいきなり重い。現実にこんな法律はないにしても、同じ立場に置かれ、同じように差別や偏見に苦しむ子どもたちがいる。胸が苦しく、怒りが込み上げる。さらに結末でこんな仕打ちでは、救いがないではないか…。  「戦闘員」の舞台は、現代か近未来か。街中の至るところに設置されているあれの正体が、実は…。予告編で終わっていて、続きが気になってしょうがない。短いが印象深い「わたしとワタシ」。タイムパラドックス云々とか野暮なことは言うまい。自分がワタシだったら、その手段が目の前にあるのに、我慢できるか。  表題作「さよならの儀式」。現代でもそれは浸透しているものの、ここまで技術は進んではいない。進んでほしいようなほしくないような。漫画や映画でよく描かれる、それが当たり前に溶け込んでいる社会は、人類にとって福音かどうか。  「星に願いを」。設定よりも、姉妹の境遇が現代の社会問題そのもので、また胸が苦しい。いつの時代も学校とは…。そして、いつ巻き込まれてもおかしくない事件…。しかし、原因を生んだのはおともだちにあった。何て大迷惑な…。  本作の一押しは「聖痕」だろう。SFではなく社会派作品と言い切りたい。別れた子を気にかけ、訪ねてきた男性。子は親を選べない。現実にもありそうな事件。自分なら同情する。そして、宮部さんご自身も過去に扱った、このテーマ。どうしても見てしまう人間の性と、それを利用する者たち。薄々読めた真相に打ちのめされる。  「海神の裔」は、あの『屍者の帝国』の世界観を基に書かれたという。『屍者の帝国』は難物だったが、短いこの作品は、わかりやすいスピンオフと言えるだろう。最後の「保安官の明日」もすごい。ザ・タウンが作られた意図とは。酔狂か執念か。本人は大真面目としか言いようがない。技術が進んで人間を狂わせたのか、人間が狂っているから技術が進んだのか。  十分長編にアレンジできそうなネタも多い、贅沢な作品集だった。普段、SFを読む機会は少ないが、SFの枠に留まらない宮部流SFを、また読ませてほしい。で、『ドリームバスター』はどうするんですか、宮部さん。

Posted byブクログ