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パブリックスクール ツバメと殉教者 の商品レビュー

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2022/02/18

愛という可視化されない曖昧なものを、こんなにも繊細に、美しく言語化できるっていう才能がすごい 人それぞれ過去があって、それら経験によって形作られた愛を他人と分かち合って生きていく大切さを学ぶ

Posted byブクログ

2019/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表紙と題名に惹かれて購入後、1回通して読みましたが私の理解力が足らず、「パブリックスクール」の仕組みや建物の構造を見直すために2回目をただいま読んでいます。 初めて読んだ樋口先生の作品が、これでよかったと心底思う作品でした。 父親は小さい頃にいなくなり、そのショックで壊れた母親からも愛されず。それでも幼いながらに愛してもらおう、愛そうと努力しても上手くいかずに閉じこもってしまった圭人。 母親からの性的虐待を幼い頃から受け、双子の弟を守るために身を粉にしながらも、はみ出しものの生徒達を等しく気にかけ愛していたスタン。 2人がひょんなことから関わりを持つことで、不器用にもがき傷つきながら愛を見つけ、愛されることや愛することを知っていくお話でした。 時には展開に悶絶し、時には痛々しさに胸を締め付けられと、とにかく心が忙しい。もちろんいい意味で。 「生まれてきてくれてよかったと、思われたことがない」 「だから生まれてくれてよかったと思えない」 作中で涙ながらにそんなことを零した圭人のシーンは、何度読んでも胸が痛くなります。 パブリックスクールやイギリスの描写の細さ、設定の複雑さ、綿密さは過去に創作していた人間として嫉妬と尊敬が半々です。人間関係や心理描写、心の変化を描くのがとても上手で、心底この作品を読んでよかったと思いました。

Posted byブクログ