日本の伝説 山陽・山陰 の商品レビュー

藤沢衛彦(著者)

2024/03/26

「積読『日本の伝説』を読む」一冊目！
巻末の広告に「あまりに知られていない貴重な話まで」とある通り、今の似たタイトルでは扱わないような話も掲載されている。
また伝説の切口も独特。
筆者の思い入れや体験が強いためか、山中鹿之介項が充実している分、伝説色も濃いはずの壇ノ浦関連はあっさりしている。
出雲国風土記も、各地の伝説を深堀りするよりも、記載されている郷の現在の地名、という解説が中心。
昔らしく一定の教養を想定しているからか、原文のみの掲載も多い。
「いつしまのゑんぎ」はなかなか濃い伝説だと思うのだが、これも原文のみの掲載なので、なかなか読むのに苦心した。(古文でも読みやすい部類ではあると思うけど)
原本は56年だそうなので、そのギャップがやはりあるのだろう。