1,800円以上の注文で送料無料

物語創世 の商品レビュー

4.3

4件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/05/25

重厚な装丁の、テーマは文学。ブクログでレビューを拝見しなかったらたぶん一生読まなかったであろう1冊。そして、読んで良かった1冊でもあります。 (図書館で借りたのですが、4,500円という価格もなかなかインパクトありますね…) 本著の内容は、歴史の中で物語が果たしてきた役割…とい...

重厚な装丁の、テーマは文学。ブクログでレビューを拝見しなかったらたぶん一生読まなかったであろう1冊。そして、読んで良かった1冊でもあります。 (図書館で借りたのですが、4,500円という価格もなかなかインパクトありますね…) 本著の内容は、歴史の中で物語が果たしてきた役割…というだけではなく、物語が歴史を作ってきた側面もあって、なるほど「文学の偉大なる力」を実感できます。 "Written World"という原題に対して、「物語創世」という邦題をあてているのもまた面白い。読む前は正直あまりピンと来ていませんでしたが、読み終わってみると非常に良いタイトルだなぁと感じます。 ちなみに、翻訳も非常に読みやすかったです。あと、本著はサイズがデカい割にページあたりの文字数はさほど多くないので、意外とスイスイ読み進められます。 本著で取り扱われているのは有名な物語が多いので、「あぁ、これか」くらいの感じで各章を読み始められるのですが、読み進むにつれて意外な事実を知らされ、著者の力量に感心させられます。 例えば、『ドン・キホーテ』であれば、なぜあのような展開になったのか?という背景、おそらく初めて著作権や海賊版といった問題に直面した本であること、等々。こんな調子で16章も続くのだから、著者の知識の幅広さと言ったら。 あと、個人的には源氏物語の章があるのが嬉しいです。「宮中での作法の手引書」として利用されていたというのは、神話としての物語から、より現実に則した物語への変容を感じました。 マヤ文化のくだりを読んで感じたのは、文字そのものの多様性が、人類の文化や発想の多様性を育んできていたのでは?ということ。アルファベットは確かに便利なんだと思うのですが、長期的に見たらどうなのか。その意味では、日本語も大事にしないといけないですね。 ただただ面白がって読んでも良いし、それでも考えさせられる引っかき傷が結構たくさんできそうな良著でした。 それにしても、私自身はホメロスもまだ読めでないし、この"Written World"は果てしないですね。。

Posted byブクログ

2021/01/30

物語る技は、文字⇒紙⇒印刷と発明・発達し、生まれる「基礎テキスト」は伝播力を増し、世界は「書かれた世界」として形づくられていくという。「文学」のゆくえにベクトルを与え、秩序だてて見せるのはハーバード大の先生。こう気宇壮大に語るのは、なかなか日本人にはできません。「源氏物語」は紛れ...

物語る技は、文字⇒紙⇒印刷と発明・発達し、生まれる「基礎テキスト」は伝播力を増し、世界は「書かれた世界」として形づくられていくという。「文学」のゆくえにベクトルを与え、秩序だてて見せるのはハーバード大の先生。こう気宇壮大に語るのは、なかなか日本人にはできません。「源氏物語」は紛れもなく日本の「基礎テキスト」ですが、それを世界文学史の講義で紹介して頂くのは有難い。でも、残念ながら「源氏物語」を読み通した日本人は極めて少なく、その価値を海外の人たちに説明できる人はさらに少ないのは恥ずかしい限りです。

Posted byブクログ

2019/10/19

成毛眞氏がFacebookで「ボクにとって2019年最高の本になるかもしれない。」と太鼓判を押していた本なので、期待を込めて読んでみました。 いやー読み応えあります。凄いです。 3連休の後半は、この本、にどっぷり浸かりました。 人類史上"文字"が生み出された事...

成毛眞氏がFacebookで「ボクにとって2019年最高の本になるかもしれない。」と太鼓判を押していた本なので、期待を込めて読んでみました。 いやー読み応えあります。凄いです。 3連休の後半は、この本、にどっぷり浸かりました。 人類史上"文字"が生み出された事で遥か昔の事も後世に伝わることを、紀元前から現代に至り、更に世界中に渡って、物語(本の中では「基盤テキスト」と称される)が創られた背景に迫ってます。

Posted byブクログ

2019/08/22

文字と文学の歴史、テクノロジーと文化がどのように発展してきたか。 文字は楔形文字から表音文字、メディアは粘土板からパピルス、羊皮紙、紙、インターネットへ。印刷は、彫り、手書き(写生)、印刷、テキスティングへ。その発展とともに文字の総量が増大して行って文化に対して影響を与えていった...

文字と文学の歴史、テクノロジーと文化がどのように発展してきたか。 文字は楔形文字から表音文字、メディアは粘土板からパピルス、羊皮紙、紙、インターネットへ。印刷は、彫り、手書き(写生)、印刷、テキスティングへ。その発展とともに文字の総量が増大して行って文化に対して影響を与えていった。受けては、古代は特殊な能力を持つ書記。カトリックの聖職者はラテン語で聖なる文書を独占していったが、印刷によりローカライズ版が大きく広まる。焚書も効力を印刷により無くしていった。現代はさらに増えていき、どの瞬間でも文字を打ち出す読むことができる。

Posted byブクログ