一分 の商品レビュー
百姓暗殺を指示された武士の陽太郎。どうしても自分で任務を遂行することができず、逃げ出して世話になった酒蔵で作っているお酒「一分」を造り生きがいを感じるもそんな中、一分を江戸に運ぶ船に乗る手伝いを頼まれるがその船が遭難してしまう。。。というおはなし。 江戸時代は自分の身分というのが...
百姓暗殺を指示された武士の陽太郎。どうしても自分で任務を遂行することができず、逃げ出して世話になった酒蔵で作っているお酒「一分」を造り生きがいを感じるもそんな中、一分を江戸に運ぶ船に乗る手伝いを頼まれるがその船が遭難してしまう。。。というおはなし。 江戸時代は自分の身分というのが重要視される。武士としての生き方は染み込んでいるけれど、もっと思いのままに生きたい。葛藤する陽太郎の武士としての「一分」と銘酒「一分」がうまいこと絡み合った作品でした。 江戸時代に新酒を関西から江戸に運ぶ速さを競う「新酒番船」。一番乗りになった船の酒は縁起がいいので高値で売れるという話は聞いたことがありました。こんな感じなんだ...。そもそも船で江戸に行くのがかなり危険だった時代に、それこそ命懸けで一番を目指す。船乗りだけじゃなく、蔵元やそれに関わる人たちの願いを背負っていたんだなぁ。 ちょっと船の描写が難し過ぎて情景はまったくわからんかったけども。映画化してほしいです。 「一分」は昔の単位(3ミリ)のこと。転じて「ごくわずか」の意味になり、「面目」という意味でもつかわれた。ごくわずかなことにこだわる。日本語と日本の精神性って奥が深いな... 故郷に戻ることに葛藤する陽太郎の気持ちに寄り添って支える茂助がいい。
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武士の世界の理不尽さ・・出奔してまでもまた藩の為と。 主人公陽太郎の困難が、杜氏の世界でも表されて。 新酒番船はどの本で読んでいたかなと、読書済本を思い出しながらの読書!
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武士の世界も、不合理な出来事が、多い。 上士の命令は、何があっても、遂行しないといけない。 陽太郎の父も、人を手にかけなければいけなかった事で、地位も捨て、そして、妻子とも別れなければいけなかった。 父と共に、生活した陽太郎も、上士の子たちにイジメられる事も多く、そして、身に覚...
武士の世界も、不合理な出来事が、多い。 上士の命令は、何があっても、遂行しないといけない。 陽太郎の父も、人を手にかけなければいけなかった事で、地位も捨て、そして、妻子とも別れなければいけなかった。 父と共に、生活した陽太郎も、上士の子たちにイジメられる事も多く、そして、身に覚えのない事件も、自分のせいにさせられる。 篠山藩から、脱藩して、どのようにして、明日の糧を求めるのか? しかし、陽太郎は、荒馬も乗馬出来、そして流鏑馬で、的を射止める事にも、命を賭ける 大胆な性格である。 何もかも上手く行くように思えた事が、銘酒づくりに、その酒「一分」を江戸へと運ぶのだが、難破してしまい、にっちもさっちも行かない状態の奈落の底へと落ちてしまう。 しかし、地獄を見た者は、強い! 底力が、そして、財政難の丹波篠山藩をも賭けての大勝負に出る! もし、失敗すれば、藩は無くなり、そして、陽太郎も切腹はもちろんの事、周囲の酒造りの杜氏の者たちから、百姓迄、この賭けの勝敗で、決まってしまう。 どう展開して行くのか? 船は用意できるのか? それに、藩も、酒造も、金銭の余裕が無いのに、どうのようにして資金調達できるか? 最後の方は、ワクワクしながら、男の夢である「惣一番」になれるのか! 期待してくれる人達へ感謝の念を持ちながら、自然の猛威の中 突き進んでいく姿に、ページをめくるのが、早くなる。 最終章は、少しあっけなかった感が、強いが、幸運に恵まれて、大きな障害を越えて行く姿は、頼もしく、読み終えた。
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侍を捨てた青年・陽太郎は、理不尽さへの怒り、運命に抗う反骨精神をばねに、誇らしくその一歩を踏みだしていく。世話になった灘の酒蔵と、一度は捨てた篠山藩を救うためにも……。「鬼役」シリーズで人気を博す著者渾身の痛快時代`青春小説"
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