北里柴三郎 新装版(上) の商品レビュー
新千円札の肖像になる偉人の伝記小説。 読みやすいし、すごく面白い。 医学に対する真摯な態度は見習いたい。
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偉大な細菌学者の北里柴三郎の伝記小説。上巻は大学卒業からドイツ留学を終えて帰国するまでの話。 地味だけどコツコツやる研究がツベルクリンのコッホ先生に絶大な信頼を得ることに。そして、二回の留学期間の延長。普通あり得ない。せっかくドイツに行っているのに、観光の一つもしないで、研究室と下宿の往復。私には出来ないな。何かを成し遂げる人は違う。
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ヨーロッパの人口を激減させ、人々を恐怖させたペスト菌を、近代医学に触れてから間もない日本人が発見した。第1回だったノーベル賞をとってもおかしくない偉業にも関わらず、野口英世の伝記は読んだことはあっても、この北里柴三郎は、1行ほどの知識しかなかった。今も人々を恐れさせる感染病に命を...
ヨーロッパの人口を激減させ、人々を恐怖させたペスト菌を、近代医学に触れてから間もない日本人が発見した。第1回だったノーベル賞をとってもおかしくない偉業にも関わらず、野口英世の伝記は読んだことはあっても、この北里柴三郎は、1行ほどの知識しかなかった。今も人々を恐れさせる感染病に命をかけて立ち向かう姿と師匠コッホとの師弟愛に感動した。そして、今までは一万円札として好きだった福沢諭吉をあらためて好きになった。
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『ドンネルの男・北里柴三郎』上・下巻 山崎 光男 著 読了 前作、資生堂の創業者を描いた「開花の人」が なかなか面白かったんで 医療系を得意とする作家だし 少々深掘りしてみようかと 本書は 医療モノ好きとしては避けて通れない 日本を代表する細菌学者 北里柴三郎の評伝 1853年、現在の熊本県阿蘇郡に生まれる 庄屋を務めていた、温厚な父と 躾の厳しい母に育てられる 幼い頃から儒教を学び その後、熊本医学校に進む その時に出会ったオランダ海軍軍医で教師だったマンフェストから 多大な影響を受け、医学の道を志す 更に、現東京大学医学部に進学するも 教諭の論文について激論を交わし 優秀な成績を修めながら要注意人物になる 卒業後、内務省に勤め 念願のドイツ留学を果たす 当時、細菌学の世界で名を馳せたコッホに師事 破傷風菌の純粋培養に成功し、血清療法を確立した その業績により、世界中の研究者から注目され 欧米各国の名だたる大学から、破格の条件でオファーを受けるも 国費で留学してることを理由に帰国する 当時の国民病であった脚気の原因について 東大教授、緒方正規とぶつかり、干されてしまう 研究ができなくなった北里を救ったのが福沢諭吉 私財を投じ、経理に明るい人材を紹介し 事あるごとにバックアップをする 伝染病研究所を設立 政府から派遣されて、香港に渡りペスト菌を発見する 数々の業績を残すも 政治的施策により、伝研究が内務省から文部省に移管され 北里と相性の悪かった東大に合併される事になり 所長を辞任 その際、研究員を含めた職員全員が辞表を提出し 伝研騒動と言われ、世間を騒がせた 私費を投じて北里研究所を設立 亡き恩師の福沢諭吉が設立した 慶應義塾大学に医学部を創立し 初代医学長に就任する 日本医師会を創立し、初代会長に就任 享年78 麻布の自宅にて脳溢血で倒れる 質実剛健、情に厚く、義理堅い 後進の育成にも積極的で 伝研騒動に象徴されるように 人望も厚かった それも、熊本医学校時代の恩師である マンスフェルトの影響が大きかったようだ 「教師は学生を一緒に仕立てるものではなく 学生に研究上、いくべき道を示し 将来単独で研究すべき方法を教える者である」 と言う教育方針を受け継ぎ 後に 野口英世や、志賀潔などの弟子を輩出している また、ドイツ留学時代の恩師であるコッホからは 「伝染病の撲滅と衛生行政の徹底のためには 大学教育を離れて独立して研究を進めるべきだ」 と教えられ、苦境に立たされても 信念を曲げず、実践している 世界に認められ、ノーベル賞生理学・医学賞候補になる程の 実力と人望を兼ね備えた北里だったが ドイツ留学からの帰国後 研究が出来る環境を取り上げられ 一番苦悩していた時期に 救いの手を差しのべた 福沢諭吉との交流が印象深い 「国や政治は、風向き次第でいつでも方針を変える 当てにしてはいけない」と 激動の時代を冷静に見つめ その先の日本を、諸外国に劣らず 強固な国に導くべく 当時、既に教育者であり思想家だった福沢は 巨額の財産を築き上げ、資金的援助をする その意思に応えて 福沢亡き後、彼の念願だった慶應義塾大学に 医学部を創設した件には胸アツになったな 権力に屈する事なく 自国の公衆衛生と予防医学に尽力した北里は 近代医学の父と呼ばれるに相応しい 本書のタイトルにもある 「ドンネル」は、ドイツ語で「雷親父」 気性の激しい性格で、気に入らない事があると 辺り構わず雷を落とす事から 弟子たちからは、恐れられながらも 親しみを込めて「ドンネル先生」呼ばれていたようです #北里柴三郎 #ドンネルの男 #公衆衛生の父 #読書好き
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念願のドイツ留学を果たした柴三郎。「細菌学の祖」コッホの下、世界で初めて破傷風菌の純粋培養を成功させる。近代日本医学の父の生涯を描いた伝記小説。
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