DEVIL'S DOOR の商品レビュー
自由都市サン・ハドク。そこは「マニピュレイテッド」(マニー)と呼ばれるAIと人間が共存する街。 主人公ユマは美形のマニーである。サン・ハドクはユマの主人だった大富豪デズモンド・ロリンズが発展のために尽くした街だ。デズモンドは死んでしまったが、ユマは彼の家屋敷や庭を守っている。 ユ...
自由都市サン・ハドク。そこは「マニピュレイテッド」(マニー)と呼ばれるAIと人間が共存する街。 主人公ユマは美形のマニーである。サン・ハドクはユマの主人だった大富豪デズモンド・ロリンズが発展のために尽くした街だ。デズモンドは死んでしまったが、ユマは彼の家屋敷や庭を守っている。 ユマの仕事は悪魔狩り。黒い聖書の形の悪魔アグリッパ(アグリ)と組んで、人に憑りついた悪魔を退治している。悪魔は人間の魂が大好物で、隙あらば弱った人間を餌食にしようとしている。アグリは自身も悪魔なのだが、こうした悪魔を捕らえては、自分のページに書き込んで閉じ込めてしまう。 人造物であるマニーには魂がない。ユマは魂が欲しいと思っている。そのため、魂をくれるかもしれない大悪魔ルキフェルのいる場所へと続く扉を探している。さて、いつか願いのかなう日は来るのだろうか。 冷静沈着で感情のないユマと、口が悪くて下品なアグリの凸凹コンビである。 サン・ハドクに注目の歌姫がいる。名はシオリ。アグリは彼女にぞっこんである。 だが、シオリの新曲を聞いた人間が何人も狂気に陥り、マニーを虐殺する事件が起きた。不思議なことに、一晩経ってみるとマニーを襲った人間は誰もそのことをまったく覚えていなかった。 シオリはかつて警備を担うマニーに両親を誤って殺され、そのことを恨んでいるという噂だった。 マニーへの歪んだ復讐心のため、シオリは新曲にサブリミナル効果を仕組んだのか・・・? マニーと人との間の対立を煽るために? そんな中、疑惑の歌姫のマネージャー、ルピタが接触してきた。シオリに悪魔が憑いているのではないかというのだ。 ユマとアグリは調査に乗り出す。 高校生あたりがターゲットとのライトノベルで、ノリがよく軽快にストーリーが進む。 同時に、ところどころに悪魔と関わりのある史実や伝承、歴史上の人物などが盛り込まれ、なかなかに衒学的な雰囲気があるのも楽しいところ。 AIと人間の反目などは現代のヘイトクライムや人種問題を匂わせて奥行きがある。 事件は一応の解決を見る。 が、魂を求めるユマの目的はまだ遠い。 思わせぶりなエピローグは物語の先を暗示する。 さて、本作はシリーズ化されるのだろうか。 ライトノベルだが、大人も楽しめる大作となるか、期待されるところである。
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レプリカントならぬマニピュレイテッドのユマ・ロリンズと悪魔の本アグリの二人組の悪魔祓い。坂本氏の美しい絵も貢献してキャラクターが際立ち、ユマの魂を得るための悪魔との戦いが続く。
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坂本眞一さんの装丁が非常に美しい。図書館でユースのコーナーにラノベ扱い的に並んでいた。内容もかなり最近の異世界耽美。設定もいいしアグリのキャラも可愛い。内容に関係ないが、無駄に各章ごとに余白ページがあって、めくるのがうざい。ハリウッド映画化してコケそうな、そんな未来をみてしまうタ...
坂本眞一さんの装丁が非常に美しい。図書館でユースのコーナーにラノベ扱い的に並んでいた。内容もかなり最近の異世界耽美。設定もいいしアグリのキャラも可愛い。内容に関係ないが、無駄に各章ごとに余白ページがあって、めくるのがうざい。ハリウッド映画化してコケそうな、そんな未来をみてしまうタイプ。
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