男子寮の玩具(10) の商品レビュー

菊の助(著者)

2024/06/26

表紙で分かるとおりの大団円。冒頭で早々にゴールにたどり着いて、その後ほとんどのページをエンディングに割いている贅沢な構成。今更1巻を思い返すとここに着地するのが信じられないような感覚になるけれども、終わりよければすべて良しなのかな。エロ＆バイオレンスのない光属性の最終刊。まぁ、攻めはダメダメなままって感じがしないでもないけれども。多少いやそこは許しちゃダメだろみたいなとこもなくはないのだけど多少の無理筋でも一応みんなでハッピーエンド。ていうかエピローグやっぱり彼なんだ、という。準主役っていうかストーリーテラーじゃん。

感動的な大団円迎えてしまったからもう言えないことだけど、サブキャラ同士のカップルのエロが見られずじまいだったことと、初代当て馬くんは結局最後まで健全な親友役を貫いたなと言うのが、カッコよくはあるけどやっぱりもういっぺん淫らな姿も見たかったというのが……いや言うまい。

前半で広げた風呂敷を畳みきれず駆け足で終わる連載も多いなか、多少のご都合主義はあるとは言えじっくり時間をかけて終盤を描いて連載を終えられたというのは幸運かつ贅沢なことだと思う。ここまで彼らを見続けた人が最後まで見届けるために最終巻。