悪夢狩り 新装版 の商品レビュー

大沢在昌(著者)

エンタメ小説の先達が描く、極限の世界!!

[左衛門佐]

1998年頃読了w。

今や当たり前の様に使われている｢エンタメ(娯楽)小説｣ですが、まだまだこの当時は他の分野と比べてスゴ～く下に見られていた時代でした。アメリカで言うなら｢パルプ・ノワール｣みたいなものかな？
要するに｢読んでいる時間は楽しめてワクワクするけど、読み終わったらゴミの様に捨てられてしまう類｣の扱いだったんですよ…(T_T)。

そんな時代に(著者は未だ｢新宿鮫｣で当てる前)、相当な苦労を為さって、セッセとこの手の娯楽小説を上梓していました。この数年後に爆発的なヒットを連発するのですが、まだこの頃は……ね。

そんな若くて野心家の著者が、本書の前書きに、｢休日に雨が降って、外出も出来ない様な日のひとときの時間、心躍らせて貰えれば…｣なんて書いていたんですから、痺れる程カッコ良いですよね～!!!

確かに深みの有る小説とは言えませんが、読んでいる間、まるでジェットコースターの様に読者を夢中にさせてくれる、こういう小説、今は見なくなったなぁ……(泣)。

宮部さんも、京極さんも、大沢先生も、すっかり大家に成ってしまって、独自の深掘りを続けてらっしゃいますが、あの頃の駆け抜けるようなハラハラドキドキの物語も、たまには読みたいです。

｢六本木聖者伝説｣の続きは?!
｢スナーク狩り｣や｢レベル７｣みたいなワクワクする小説は?!

…御大の皆様からの新しい興奮を、古い読者は待ち望んでいます。

本書は、若い方々には今流行っている漫画何十巻分より上か若しくは同等の興奮を与えてくれる、必読の(!!!)麻薬小説だとお奨め致します。

｢ヤクが切れちゃうよぉ～、先生方!!!｣

2022/10/20

同作を以前に読んでいたが、2度読んでもハラハラする展開。
ただ、終わり方を敢えてさっぱり、謎めいたまま終わらせたのか⁈