ダリエン地峡決死行 の商品レビュー
久々に面白い冒険ものに出会った。コロンビアからパナマへ、原住民の案内でダリエン地峡を徒歩で渡る。パナマ入国後、逮捕され、収容所での話も面白い。
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アメリカからアルゼンチンまでを結ぶ幹線道路のパン・アメリカン・ハイウェイを唯一分断し、パナマ・コロンビアにまたがって最も南米大陸に近い地点をつなぐダリエン地峡は、密林地帯であるとともに反政府勢力やマフィアの活動拠点であることから通行が困難とされています。2011年にコロンビアに語...
アメリカからアルゼンチンまでを結ぶ幹線道路のパン・アメリカン・ハイウェイを唯一分断し、パナマ・コロンビアにまたがって最も南米大陸に近い地点をつなぐダリエン地峡は、密林地帯であるとともに反政府勢力やマフィアの活動拠点であることから通行が困難とされています。2011年にコロンビアに語学留学中だった筆者はバイト先の店長に唆されたことも手伝って、この危険地帯の横断を計画断行します。 本書の最大の魅力は本格ノンフィクション的な楽しみというより、死も隣り合わせの困難な試みのわりには無計画で、密林地帯の行軍にあっては同行する現地の人々の足手まといになり、危機に陥っては泣き言も漏らしながらも、なぜかこの危険な試みに固執する著者の人間性にあるように思えます。そのため全篇読み終えたあとも勇気づけられるようなポジティブな感情よりは苦笑したくなる気持ちが起き、だからこそ英雄的なものとはかけ離れた筆者の姿に親近感を持つことができました。 ページ数は300を超えていますが、文字が大きいため実際の文字数はそれほどでもなく、筆者による写真が掲載されていること、砕けた文体も手伝ってあっさりと読むことができます。
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※このレビューにはネタバレを含みます
コロンビアとパナマの国境付近が ダリエン地峡である コロンビアの首都ボコタは 夜で歩くのはまあ、、、 だが 階層ごとに住むエリアが違うため 前ほど危険ではなくなってきているらしい ただこの国境付近に行くまで ボートなどを使うと半日で着いてしまうのだが 何とか徒歩だけで縦断したい 通常コヨーテという案内役 (先住民を付けなければいけない) 要求額は600米ドル それに命の危険も伴う 各国の国境警備隊、FARCコロンビア革命軍 クナ族、戸籍をなくした南米民が北米に逃げる通り道 それらを狙う輩など 有象無象の欲望が存在し 二律背反のわかりやすい世界ではなく 昨日は日本人がワイロを送って通れたからといって次の日はどうかはわからない という不確定さもある この先は本文を読んでもらうとして 事後の拘束談は 冒険としてはハラハラするし 誰も行かない所へ行き 誰もかかない生産性のないことを書く ことをしているのだが 著者のご性格なのだろが 真面目さが故に緊張感があまりない この物語を完成させるのに 4年もがかっているのもすごい 1回だけではない、都合3回 諦めない心でたどりついた景色は月並みだが素晴らしい
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コロンビアとパナマ国境に広がるダリエン地峡。ここで、中米と南米は完全に断絶されている。道路はなく、グーグルで検索しても経路が出ないという。基本的に、飛行機で飛ぶか、カリブ海、または太平洋を渡るしかない、そんな場所。年間降水量が2万ミリを超える密林に反政府ゲリラ、麻薬組織が蠢き、...
コロンビアとパナマ国境に広がるダリエン地峡。ここで、中米と南米は完全に断絶されている。道路はなく、グーグルで検索しても経路が出ないという。基本的に、飛行機で飛ぶか、カリブ海、または太平洋を渡るしかない、そんな場所。年間降水量が2万ミリを超える密林に反政府ゲリラ、麻薬組織が蠢き、そしてスペインが侵略する前から先住民が生活を営んでいる地。 そんな場所がまだあったのか、ということにまず驚く。そして著者は、その道無き道をコロンビアからパナマへ踏破しようとする。3回目のチャレンジで友人になった先住民のエドガルとともについに走破する。ところが、国境を越えた村で警備隊に捕らえられ、拘束され・・・・。ダリエン地峡での命の危機、よりも拘束されたのちの話が興味深い。 そして、この危険な地域を、そうとわかっていながらも越えていかなければならないアフリカや南米やアジアの人々がたくさんいるという現実が、今現在の地球上の絶望的な「格差」を物語っている。
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