一人盆踊り の商品レビュー
恥ずかしながら私は友川さんのことお名前くらいしか存じ上げてなくて、今回友川さんを敬愛する義兄からこの本を借りてはじめて友川さんのことを知った。そんな友川さんのこと全然知らない私にとってもこの本はすごく面白くて一気に読んでしまった。 弟さんの話はとても読んでて苦しかったし、森敦さん...
恥ずかしながら私は友川さんのことお名前くらいしか存じ上げてなくて、今回友川さんを敬愛する義兄からこの本を借りてはじめて友川さんのことを知った。そんな友川さんのこと全然知らない私にとってもこの本はすごく面白くて一気に読んでしまった。 弟さんの話はとても読んでて苦しかったし、森敦さん宅での話はとてもおもしろい。地蔵の話も怖いけど、とにかく興味深くどんどん読める。こんな私にもちゃんとありありと情景が浮かぶし、気持ちが持っていかれそうになる。 そして、最後の海外でのライブについての語り下ろしまで楽しく読ませていただき、やっとこ今はじめて友川さんの動画を見るに至った。
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友川カズキという人は、とてもシャイなんじゃないかと思う。 素面で人の前に出ると、恥ずかしくて恥ずかしくて堪らない。 だから、早々に酒を煽ってしまう。 すると、今度はめちゃくちゃが先に立ってしまい、叫び、歌い、転げ回り、めちゃくちゃだ。 友川カズキは、日雇いの立ちんぼであることを...
友川カズキという人は、とてもシャイなんじゃないかと思う。 素面で人の前に出ると、恥ずかしくて恥ずかしくて堪らない。 だから、早々に酒を煽ってしまう。 すると、今度はめちゃくちゃが先に立ってしまい、叫び、歌い、転げ回り、めちゃくちゃだ。 友川カズキは、日雇いの立ちんぼであることを辞さない。 最後は、立ちんぼ仕事で稼げばいいやと達観している部分がある。 だから、友川カズキは、他人に阿ることをしない。 自由に喚き、自由にバクチをやり、自由に生きる。 友川カズキには、敵わない。
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そもそも「一人盆踊り」という曲は、何かに憑りつかれたようなそれでいてやけくそのような気味の悪い曲で大好きである。 その曲名を書名に冠してあるところがまずよい。 そして若い頃の著者の暮らしぶりというか酔いぶりや考えがわかってよい。 最後に収録された文章は聞き書きらしく、MCやインタ...
そもそも「一人盆踊り」という曲は、何かに憑りつかれたようなそれでいてやけくそのような気味の悪い曲で大好きである。 その曲名を書名に冠してあるところがまずよい。 そして若い頃の著者の暮らしぶりというか酔いぶりや考えがわかってよい。 最後に収録された文章は聞き書きらしく、MCやインタビューなどでお馴染み(なのか?)の著者の語り口が生かされていてよい。 本書を読むような人は著者の歌のファンくらいのものだろうが、だから私も読了後に「無残の美」「彼が居た―そうだ!たこ八郎がいた」を聴いてしまったというか、読書中もしきりにこの2曲が聴きたくなってしまったのは、著者にとって肉の一部のようだったこの2名の死者(プラス中上健次)に関する文が目立ったからだ。 彼らへ捧げる「一人盆踊り」というわけだったのだな、と読み終えてしみじみ。。
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