愛と苦悩の手紙 の商品レビュー
編集者、井伏鱒二、今官一、田中英光、小山清、妻などへ宛てた戦中・戦後の手紙を101通収める。当時の連絡手段を思えば手紙の数は必然と多くなるものの、それでもやはり太宰治は筆マメな方だったのだなと読んで思いました。手紙の中には彼の創作の断片となる言葉が随所にあって、興味深く読みました...
編集者、井伏鱒二、今官一、田中英光、小山清、妻などへ宛てた戦中・戦後の手紙を101通収める。当時の連絡手段を思えば手紙の数は必然と多くなるものの、それでもやはり太宰治は筆マメな方だったのだなと読んで思いました。手紙の中には彼の創作の断片となる言葉が随所にあって、興味深く読みました。彼が入水した昭和23年になると妻・美知子へ宛てたハガキが目立つ。「無事のよし、安心。万事よろしくたのむ。」彼の死を知っているせいか、この言葉はまるで遺書のような、遺言めいた言葉に聞こえてしまう。
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