蟲愛づる姫君の婚姻 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「さくら花店」を読んだ時にも思いましたが、何とまあ毒まみれの文章で。 話として毒を扱っているからという単純な理由ではなく、登場人物も文章もいい意味で病んでる。 何しろ常識的にまともな人があまり出てこない。 主要人物は大概みんな常識が通じない。 モブほどまともという有様。 名前があるキャラでまともだったのは、恐らく王様の側近くらい。 主人公の姫も、旦那の王様も、姫を嫁にやった女帝も、姫の従者の女性も、王様の母親も、まともじゃない。 中華風の王宮が舞台で暗殺沙汰などの事件も起きるけど、政治的陰謀で起きている訳ではない。 恨みとか陥れたいとか、そういう負の感情でもなさそう。 あるのはただの暇つぶしというか、狂気という、何というか。 これだけでも、異常さが伝わるのではないかと。 ともかく、あまりに普通でない、そういう人たちが多いので、おかしいのは読んでいる自分の方だろうかと錯覚してしまうほど。 先が気になって読み進めはするのですが、じわじわ毒が効いてきたかのように、読んでいると体力を持っていかれました。 面白いのですが、とてつもなく疲れる。 ある意味、中毒性の強い作品な気がします。 好きな人は凄く好きそうです。 惜しいと思ったのは、最後の最後で姉の女帝の毒がマイルドになっちゃったところかなあ。 シスコン要素はなかった方が、狂気的で個人的にはよかった。
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蟲や毒を愛する超強烈個性の姫が嫁いた先は、 魁王国という隣接した小国。 そこで起こる奇妙な出来事を、蠱術を使い立ち向かっていく。 というより、蠱師である姫に火がついたとでも言うべきか。 嫁いでも変わらない個性と行動、蠱術の腕前。 愛よりもビジネスの人間関係。 一見淡白・冷酷に思...
蟲や毒を愛する超強烈個性の姫が嫁いた先は、 魁王国という隣接した小国。 そこで起こる奇妙な出来事を、蠱術を使い立ち向かっていく。 というより、蠱師である姫に火がついたとでも言うべきか。 嫁いでも変わらない個性と行動、蠱術の腕前。 愛よりもビジネスの人間関係。 一見淡白・冷酷に思える姫や彼女を取り巻く環境だが、 読んでいると、 それをもいいと思ってしまえるから不思議だ。 続編があればいいのに。
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