安アパートのディスコクィーン の商品レビュー
文章からにじみ出てくるユーモアが、この2段組の文章を読みやすくしているのかな?と思ったが、冷静な自己分析もあちこちで見られた。 時代が良かったのかもしれないが、初のバンド結成から作品発表まで一部ですでに話題になっていたのは、やはり持って生まれたセンスがなせたのではないのか?また...
文章からにじみ出てくるユーモアが、この2段組の文章を読みやすくしているのかな?と思ったが、冷静な自己分析もあちこちで見られた。 時代が良かったのかもしれないが、初のバンド結成から作品発表まで一部ですでに話題になっていたのは、やはり持って生まれたセンスがなせたのではないのか?また要所要所でポールウエラー、マッシヴアタックなど時の人とつながる運も味方していたのかもしれない。 なんて冷静を装って分析風に書いているけど、随所に誰かに伝えたくなるようなエピソードが満載でとても興味深く読めたし、作者が身近に感じられた。またパートナーのベンワットさんへの深い思いやりも沢山感じられ、彼らの作品をさらに聞き直したくなる本だった。
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“自分たちの過去にまったく自信の持てないバンドから、きっちりと自らを信じることのできるバンドへと変貌を遂げたのだ。” まさかトレーシー・ソーンの自伝を読むなんて…それがこんなに面白いなんてビックリ タイトルの『安アパートのディスコクイーン』とジャケにやられた、彼女のイメージど...
“自分たちの過去にまったく自信の持てないバンドから、きっちりと自らを信じることのできるバンドへと変貌を遂げたのだ。” まさかトレーシー・ソーンの自伝を読むなんて…それがこんなに面白いなんてビックリ タイトルの『安アパートのディスコクイーン』とジャケにやられた、彼女のイメージどおり パンクに憧れ16歳でギターをはじめ地元のバンドに参加するけれど、すぐにピストルズは解散 ポストパンク期に女の子だけのガレージバンドMarine Girlsを結成、19歳でソロアルバムをリリース、大学入学時にベン・ワットと運命的な出会いを経てEverything But The Girlを結成し、以後2人でUKシーンを駆け抜けたトレーシー・ソーン 「あんなにキレイな歌を歌うのに、なんでいつもふてくされてんだろ?」と疑問に思ってたけど読んでナットク、“パンク由来の反逆精神”だったのだ ニュージャズやハウスの歌姫とかレッテルも変わっていったけど、本人たちはまったく変わらずミニマルな音作りとまたパンク由来のDIY精神でシーンに溶け込んでいった Marine GirlsがNirvanaのカートのお気に入りリストに入っていたとか、それでコートニー・ラブと話したとか、「ミッシング」のリミックスがアメリカから火がついてヨーロッパでかかりまくってたのに、本国イギリスでは見向きもされなかったとか、クールなイメージとは裏腹にいろいろあったのだ Massive Attackのメンバーの印象は笑える 「プロテクション」は大病から回復したベンへのラブソングとは美しいエピソード 彼女はソングライターだから歌詞がそのまま当時の心境だし、日記や行ったライブのチケット、雑誌のレビューを大量に残してあるようで、子どもの頃のエピソードからバンドの活動、家族のことまで、当時からの引用と現在の目線から語っているので、物語が深掘りされてて引きこまれる 次作も楽しみ
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