ぼくがいちばんききたいことは の商品レビュー
不思議な本。 けれども、気持ちがわかるわかる。と読み進めていきました。タイトルは心にグサリとささりました。
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男の子と、親や祖父との関係をえがいた短編集。子ども側はいろんな事情や感情を受け入れざるを得なかったりするけど、その中の本音や葛藤の様子や、時にはそれが(少しだけであっても)浄化される様子が描かれていた。何かさわやかでさっぱりした読後感でした。
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この本は、子ども向けのようですが、どちらかというと、こどもの周りにいる大人に読んでほしいな。 子どもは本来、自分本位でいいと思うけど、周りの大人の方が自分本位だと、子どもがそうじゃいられなくなるんだね。 子どもは、いじらしいくらいに大人のことを想ってる。 だから… お互いに思いや...
この本は、子ども向けのようですが、どちらかというと、こどもの周りにいる大人に読んでほしいな。 子どもは本来、自分本位でいいと思うけど、周りの大人の方が自分本位だと、子どもがそうじゃいられなくなるんだね。 子どもは、いじらしいくらいに大人のことを想ってる。 だから… お互いに思いやることができれば、びっくりするくらいに良い展開があるんだね。 私が好きなのは、 ・去る ・ブリーフ派、それともボクサーパンツ? ・ドリーム・キャッチャー
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
主に男の子とその家族との関わりを描いた短編集。家族の形態は色々。素材としては面白いが浅い。それぞれのエピソードに深みがなく、結論もあまりスッキリしない。はっきりさせてないので対象の年齢層では分からない場合もありそう。 例えばベトナム帰還兵のおじいちゃんが思い出を話すシーンがあるが具体的なものはひとつもなく、なぜ心に傷をおったのか理解しにくいと思う。
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1年半前両親が離婚したときから生家を出て、母親とそのボーイフレンドと暮らす12歳のデイモンは、それを不満に感じ、次に父親の家を訪問する際から父親の家で暮らしたいと考えていた。ところが、引っ越し荷物を持参して尋ねた生家(父親の家)は、今までと少し様子が違い、ドアには鍵がかかっており...
1年半前両親が離婚したときから生家を出て、母親とそのボーイフレンドと暮らす12歳のデイモンは、それを不満に感じ、次に父親の家を訪問する際から父親の家で暮らしたいと考えていた。ところが、引っ越し荷物を持参して尋ねた生家(父親の家)は、今までと少し様子が違い、ドアには鍵がかかっており、チャイムを鳴らしても応答がない。なんとかガレージ側から家に入ることはできたものの、そこには、今までなかったものがあり、他人が住んでいることは明白だった。彼の部屋もすっかり様子が変わっていたが、何より驚いたことは、父親の寝室に、父親と、知らない女性が寝ていたことだった。先に起きてきた女性はアマイと名乗り、3週間前に結婚したのだと言う。 両親の離婚から居場所を見つけられずにいる少年の不安定な気持ちを描く、この「家に帰る」の他、家族を巡って揺れ動く少年を主人公にした話を全部で7編収める短編集。 *******ここからはネタバレ******* その多くが、問題の提示で終わっているため読後感は良くないが、大人が悪気なくしていることがいかに少年を傷つけたり不快にしているのかを思い知らせれる話でもある。 また「ブリーフ派、それともボクサーパンツ?」では、子どもの、大人への期待値の大きさを知らされる。 でも実際、恋愛の際に、会ったこともない恋愛相手の子どもに、そこまでの辛抱強いアプローチができる人は稀ではないのか。 短編集であることを知らずに読み始めたので、冒頭の「家に帰る」が、その後どうなるのか期待したので残念。児童書なので、できれば希望を持てる終わり方をして欲しいのだが。 内容は平易で読みやすいが、家族問題が深刻でいささかブラック。 中学生以上にオススメします。
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10代の男の子とその家族(主に父親・祖父)を軸にした短編が7編。反発したり共感したりする少年たち。気づけない大人達。それぞれにジンとくる。 母親も登場するけれど、父親(義父)との関係を描くうえで必然として登場する。 父親の遺骨を水葬する「去る」は、涙が出ました。
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男の子を主人公にした7つのお話。そしてそのお父さんやお母さん、おじいちゃんの話でもある。ちょっとつらい話、悲しい話もあるけれど、子どもだからといって幸せで無邪気だとは限らないのだから。「ブリーフ派?それともボクサーパンツ?」は、なかなかのものです。
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久しぶりに出たアヴィの本。家族をテーマにした短編集。 児童文学に短編集は少ないし、良いものはさらに少ないのだが、これは良かった。 アヴィが本当に凄いのは、ユーモア小説もサスペンスもファンタジーも書いて、少なくとも日本語に訳されているものは、どれも上手いってこと。まあ、すごく多作ら...
久しぶりに出たアヴィの本。家族をテーマにした短編集。 児童文学に短編集は少ないし、良いものはさらに少ないのだが、これは良かった。 アヴィが本当に凄いのは、ユーモア小説もサスペンスもファンタジーも書いて、少なくとも日本語に訳されているものは、どれも上手いってこと。まあ、すごく多作らしいから、翻訳されない作品には駄作もあるのかもしれないが。 これは、エンタメというよりは純文学。苦い余韻を残すものが多い。 主人公は全員思春期に差し掛かった少年。少年たちの苦しみの元になっているのは父親または祖父。 ボクシングもやるエリート弁護士の父は気の優しい息子を「腰抜け」と思い(「ぼろぼろ」)、物知りで経験豊かな祖父は孫より上でなければ我慢ならない(「アマルフィ・デュオ」)。全く姿を現さないために、少年の心の中で偶像化される父もいる。(「キッチン・テーブル」) 最後の「ドリーム・キャッチャー」はベトナム戦争で精神を破壊され、妻とも息子とも関係を築くことが出来ず孤独に暮らす老人の物語で、これは明るさのあるラストが良かった。ハイム・ポトクの『ゼブラ』にもベトナム帰還兵の話があったのを思い出したし、ちょっと「ハイジ」みたいだなとも思った。 唯一楽しい「ブリーフ派、それともボクサーパンツ?」も良かった。 一番好きなのは「アマルフィ・デュオ」。リコーダーを祖父と孫が習って、孫は才能を示しモーツァルトやブラームスやバーバーを吹くのに、いつもマウンティングしてくる祖父は初心者向けに簡単にアレンジしたブロードウェイ名曲集。それさえ上手く吹けない。その悔しそうな様子が目に浮かぶ。普通の祖父なら孫が自分より才能があれば嬉しいものだけどね、このおじいちゃんは歪んでるの。しかも自覚なし。こういう祖父を持ってる子のうんざりする気持ちが本当によく伝わる。 親に対してモヤモヤすることがあってもなかなか言葉にはできない。他人にも言いづらい。でも、こういう本読むと、そうそう、と思える。ちょっとカタルシスを得られる。年齢に関係なく。だから大人にもおすすめ。 西村ツチカの絵と鈴木千佳子の装丁・ブックデザインもとても良い。
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