しっぽり濡れ肌 湯屋の美女 新装版 の商品レビュー

霧原一輝(著者)

熟年主人公の旅路シリーズ３部作第１弾の再販

[ＤＳＫ]

竹書房ラブロマン文庫より２０１１年に出た同タイトルの再販。装丁を新たにした〈新装版〉につき加筆・修正は行われていないものと推測される。底本は４８歳のマッサージ師を主人公にした３部作の第１弾にあたるため、第２弾の『とろめく白肌－港町の美女』や第３弾の『秘め肌さぐり－祭りの美女』も同様に再販されていくのかどうかが気になるところである。

銭湯を舞台にした作品だが、旅路を描くシリーズのために主人公が長々と居座ることはない。そのため恋物語に発展すると言うより発展しても切ない結末を迎えることとなる。むしろ主人公滞在時に勃発する諸々の事件とその解決が主眼と見るべきであろう。様々な思惑が絡み、様々なサブヒロインが登場しては濃厚な官能を繰り広げている。