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出会ってしまったツルとカメ(1) の商品レビュー

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2019/10/05

軽い後悔がある この入り方は毎度の事なので、この後を予想した方もいるだろう その通り、内容がつまらなかった訳じゃない 私も、そこまで暇じゃないので、グッと来なかった作品の感想を書いちゃいられない つまり、感想を書いているってことは、この『出会ってしまったツルとカメ』にグッと来たっ...

軽い後悔がある この入り方は毎度の事なので、この後を予想した方もいるだろう その通り、内容がつまらなかった訳じゃない 私も、そこまで暇じゃないので、グッと来なかった作品の感想を書いちゃいられない つまり、感想を書いているってことは、この『出会ってしまったツルとカメ』にグッと来たって事である では、何に対しての後悔なのか 前作(?)の『まりあ17』にも感じた後悔なのだが、どうして、こんなにも良い四コマ漫画を描く先生を知らなかったのか、そんな後悔だ まだまだ、私も漫画読みとして甘いな、と噛み締めさせて貰った この『出会ってしまったツルとカメ』は、系統で言えば、ラブコメだ むんこ先生自身は、ラブコメの皮を被った何か、と言っている 正直なとこ、否定はしづらいのだが、少なくとも、私は、キュンとくる事もあったので、ラブコメと言いたい バイト漬けの毎日を送る、喫煙家のチョイ悪少年・鶴見が、積極的な少女・亀山ちゃんに一目惚れされ、彼女からの攻めに辟易しながらも、次第に、彼女の魅力さを感じ、好きになっていく、そのパターン 正道ではあるが、その中にも、むんこ先生っぽさは、しっかり盛り込まれている 自然、と言うか、しれっと、交際がスタートしたあたり、「らしい」と感じた この作品の良さを引き上げているのが、鶴見と亀山ちゃんの抱えている家庭の事情だろう ハッキリと描かれちゃいないが、中々にヘビーなものを背負っている、二人とも しかし、お互いに同情しているって訳じゃなく、家庭や過去ではなく、今の相手を見て、好き、側にいる事を望んでいる点が、実にグッと来る むんこ先生の絵柄が、ゆるっとしているものなのも、読み手に閉塞感を抱かせないのに一役買っていそう また、鶴見と亀山ちゃんのアクの強さに、周囲を固めるキャラたちが押し負けてないのも、この作品は中身がある、と感じさせる理由だ 実際にいそう、そんな親近感を読み手に持たせるキャラ作りの大切さが学べたので、自分の小説に活かそうと思う 私的に好感が持てるのは、鶴見の担任 生徒の喫煙を咎めないのに? と聞かれそうだが、基本的に、私は学生の喫煙、飲酒に関しちゃ、うるさく言う気はない ただし、その学生が、親からの小遣いではなく、自分で汗水たらして得たバイトの給料で買った煙草と酒であり、他人と社会に迷惑をかけない場合に限るが 歩きタバコをして子供に火傷をさせたり、酔っ払って誰かを殴ったり、となったら、容赦なく、二度と喫煙、飲酒なんかしないと思うほどのキツいお灸を据えてやればいい この担任は、その生徒が自分の足で立って、歩いていかなきゃいけない事情を知っていて、彼がバイトに励んでいる事も理解しているからこそ、他人に迷惑をかけない吸い方を守っている鶴見を叱らないんだろう むんこ先生は、どうも、この『出会ってしまったツルとカメ』を(2)で終わらせる気のようだが、一ファンとしちゃ、せめて、(3)までは出してもらいたい たったの全2巻で終わってしまうのは、もったいない もしも、(2)で終わらなきゃならないのなら、せめて、最終回もしくはコミックス限定の書き下ろしは、鶴見が亀山ちゃんにプロポーズする内容にしてもらいたい この台詞を引用に選んだのは、鶴見が良い奴だってことが分かるので 使い古された表現だけど、その者の人柄を知るには、その者の友達を見るのが一番だ こういう事を言ってくれる友達がいるのは、鶴見が慕われているからだ 次巻では、彼の出番も増え、恋人が出来ればいいな、と思う 確かに、同年代の友人と比べれば、鶴見の春は、随分と深みのある青かもしれないが、それはそれで、彼らしい、彼だからこそ出せる青色なんだな 亀山ちゃんが、鶴見の画用紙に、これから、どんな色を足していくのか、楽しみだ 「なんか、鶴田ってオトナだよね。タバコも吸うしさ」 「仕事ばっかしてたら、こーなっちゃっただけだよ」 「ふーん・・・しごと・・・お前に比べたら、俺なんかガキだけど、困った事あったら言えよな」(by鶴田の友達、鶴田浩一)

Posted byブクログ