飛行機にまつわる11の意外な事実 の商品レビュー
『異形機入門』の著者だと読みはじめて知った。あちらの本も「よくもまあこんな変な飛行機を」と思ったが、こちらも個者の知識が半端でなく細かい。 最初の零戦似の戦闘機のあたりは序の口で、ドイツの最優秀戦闘機Dr VIIを開発したフォッカーの創始者フォッカー氏が第一次大戦後にアメリカ...
『異形機入門』の著者だと読みはじめて知った。あちらの本も「よくもまあこんな変な飛行機を」と思ったが、こちらも個者の知識が半端でなく細かい。 最初の零戦似の戦闘機のあたりは序の口で、ドイツの最優秀戦闘機Dr VIIを開発したフォッカーの創始者フォッカー氏が第一次大戦後にアメリカに渡り、現地でフォッカーの旅客機を作るために作った工場が後々ノースアメリカンにつながるとはまさに意外。 もっとも、話をまとめるために詳細に踏み込まなかった、と言う面も分かる。フォークト技師がドイツに帰って設計したBv141は、左右非対称の極めつけの変態飛行機だが、Bv141Aは意外に普通に飛ぶ飛行機だったという。しかし、改良してBv141Bにしたら飛行特性に難ありでフォッケウルフに敗れる。ここの細かい話には踏み込んでない。 ある意味当たり前だけど自分にとって意外なのが、731部隊が細菌兵器を開発した話。防疫給水部がなんでそんな実戦兵器を、と思っていが、病気を防ぐ手立てを知っていれば病気を広める方法にも詳しい。生物兵器が使われたのはいろいろな証言から間違いないのだが、これで頭の整理がだいぶ進んだ。 ちなみに陸軍が生物兵器を散布したところに何も知らない別の部隊が展開して味方の生物兵器で大被害を出すというのは苦笑。 知識というのはあればあるほどいいという経験則を地で行く本。
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