見えないものを集める蜜蜂 の商品レビュー
★文学とはすべて1度はちぎれ、忍耐強く縫い合わされた舌の歌である。わたしは紙を書きこすり、そこでことばは殉死する★ 書くことで自分の気持ちがはっきりするっていうのは精神科医の人か言っているが、ずっとわだかまりがあり、この本で書くことの不可解さを述べられていて好きだった。 境界...
★文学とはすべて1度はちぎれ、忍耐強く縫い合わされた舌の歌である。わたしは紙を書きこすり、そこでことばは殉死する★ 書くことで自分の気持ちがはっきりするっていうのは精神科医の人か言っているが、ずっとわだかまりがあり、この本で書くことの不可解さを述べられていて好きだった。 境界線をひくことで、失われた何かがあって、その何かは本当に必要なかったのか?私はこの本を読んで、書くことは消したり書き出したりして形どっていくものだと感じた。手からしたたり落ちていく水を何とかしてすくおうとするその行為そのものなのかも。
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散文 詩的 イメージが綺麗 浸っていたい "papillon(蝶)あらゆる苦しみの中でもっとも軽いもの" 題はリルケの言葉より 「われわれの務めは、はかない束の間の大地を深く、苦痛に満ちて、情熱的にみずからに刻みつけることによ...
散文 詩的 イメージが綺麗 浸っていたい "papillon(蝶)あらゆる苦しみの中でもっとも軽いもの" 題はリルケの言葉より 「われわれの務めは、はかない束の間の大地を深く、苦痛に満ちて、情熱的にみずからに刻みつけることによって、その本質を見えないかたちで我々のうちによみがえらせることです。われわれは見えないものを集める蜜蜂なのです。」 訳者あとがきが感慨深い 網島寿秀さん "詩人の仕事は、その抒情精神において、現実的なものと幻想的なもの、可能なものと不可能なものを向き合わせ、ありうべきことをおしはかり、人間としての欲動をたもつことにある。それこそは「希望」と呼ぶべきものであろう。希望とは、真実の生を約束するようなものではないし、解放ということともかかわらない。それは、人間に到ることのできないものを知り、それによって自らを限定し、立ち止まらずに歩み続けようとすることである。"
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