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世界地図を読み直す の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2019/12/29

北岡伸一氏(1948年~)は、国連次席大使(2004~2006年)、国際大学学長などを歴任し、現在、独立行政法人国際協力機構(JICA) 理事長。東京大学名誉教授、法学博士。専門は日本政治外交史。 本書は、新潮社の有料会員制情報サイト「Foresight」に連載された「日本人のフ...

北岡伸一氏(1948年~)は、国連次席大使(2004~2006年)、国際大学学長などを歴任し、現在、独立行政法人国際協力機構(JICA) 理事長。東京大学名誉教授、法学博士。専門は日本政治外交史。 本書は、新潮社の有料会員制情報サイト「Foresight」に連載された「日本人のフロンティア」(2017~2019年)と、 防衛省・自衛隊関連のニュースを主とする新聞「朝雲」(朝雲新聞社)連載の「春花秋冬」(2014~2015年)をまとめたもので、大半は著者が過去数年間に訪れた国々について書かれたものである。 私は、藻谷浩介氏の『世界まちかど地政学』シリーズのような、見聞に基づく世界の国々の客観的な分析を予想して購入したのだが、著者の経歴、および現JICA理事長という立場に基づく本書は、世界の国々と日本との関係についての考察であり、日本が二国間関係においてそれらの国とどのように付き合っていくべきかという、部分的にはかなり政治的色彩の強い提言となっている。著者は、最初、書名を『政治学者の世界地図』としようとして、やめにした、と書いているが、そのままの方が内容的にしっくりくる。 取り上げられた国は、ジョージア、アルメニア、ウクライナ、トルコ、フィンランド、バルト三国、ロシア、ウガンダ、アルジェリア、南スーダン、エジプト、ザンビア、マラウイ、ブラジル、コロンビア、パプアニューギニア、フィジー、サモア、ミャンマー、ベトナム、東ティモール、タジキスタン、と、著者のようなミッションでなければなかなか訪問する機会のない国ばかりであり、そうした点では大変興味深い情報も少なくない。 著者は最後に、「日本の場合、非西洋から近代化してきた歴史と、西洋とは異なる途上国へのアプローチが、世界の信頼を集めていることを、本書の中から読み取っていただけると思う。明治以来、多くの日本の知識人や政治家が、日本は東西文明の架け橋になるべきだ、と主張してきた。・・・非西洋から発展した歴史を基礎に、民主主義的な国際協調体制を、それぞれの国の事情に応じて支援していくこと、これが日本の理念に他ならない。それを自覚し、言語化し、発信し、かつ戦略的に行動すること、これが今後の日本外交の大方針ではないだろうか。」と結んでいるが、著者のそのメッセージは十分に受け取ることができる一冊と思う。 (2019年12月了)

Posted byブクログ

2019/11/09

日本政治外交史の研究者でもある著述が、JICA理事長や国連大使として見聞した、国際政治の一幕を解説。 馴染みのない国の意外な日本との繋がりなど、 興味深い。

Posted byブクログ