パリの君へ 自選短編集 の商品レビュー
売れない小説家 しかも連帯保証かなにかで財産を失ってしまった そんな父親との確執をベースに置きつつも やがて大人になっていく主人公たちは 家族といえど他人の集まりにすぎぬという気づきを経て 逆に父親の存在を自らの内に消化していく そういう作りの短編集で 全体的にそういったアンチ・...
売れない小説家 しかも連帯保証かなにかで財産を失ってしまった そんな父親との確執をベースに置きつつも やがて大人になっていく主人公たちは 家族といえど他人の集まりにすぎぬという気づきを経て 逆に父親の存在を自らの内に消化していく そういう作りの短編集で 全体的にそういったアンチ・ヒューマニズムが貫かれている しかし現実には、情を足枷に身内を縛ろうとする人々も多く そういう枷をいかに外すかといった問題は残る 優しさの強要に応えるぐらいなら 和解など許さないのも優しさのうちであろう
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