黒鍬さんがゆく の商品レビュー
戦国三英傑の覇業の陰に黒鍬さんがいた!とは本書を読みながらの私の妄想ですが、彼等の戦略の核にある付城や陣城の建造に大野の黒鍬が活躍しなかったはずが無い。 信長なら本願寺攻めの付城や長篠の戦いのときの銃陣。 秀吉ならば一連の攻城戦で駆使した水攻めでの築堤。 家康は大阪冬の陣のあと...
戦国三英傑の覇業の陰に黒鍬さんがいた!とは本書を読みながらの私の妄想ですが、彼等の戦略の核にある付城や陣城の建造に大野の黒鍬が活躍しなかったはずが無い。 信長なら本願寺攻めの付城や長篠の戦いのときの銃陣。 秀吉ならば一連の攻城戦で駆使した水攻めでの築堤。 家康は大阪冬の陣のあとの速攻外堀埋めなんて黒鍬さん大得意だがね。 乱世の戦闘工兵=黒鍬衆は降り注ぐ矢弾をものともせずに土を掻き上げ突き固める筋骨隆々の特攻野郎。 気性も荒く、挿絵の連中の面構えも相当なもので、武士とは別の意味でヤバい雰囲気を漂わせて戦場を闊歩する暴力集団(笑)だったはず。 刺青も鮮やかなモロ肌脱ぎの黒鍬さんは、仕事の邪魔をする五月人形どもを自慢の黒鍬で殴り倒すくらいはやってたと思うのな。 そんなこんなで想いを巡らせると信長たちが、ろくに米も取れない知多半島の掌握に執着した理由が、伊勢湾を制する水軍の拠点って外に黒鍬衆の存在もあったかと得心いった訳で。 信長の弟で茶人で有名な織田有楽斎が大野湊の近傍に築城した大草城は大野水軍の本拠地を押さえる、急勾配の土塁を廻らす土の城塞。 大野の黒鍬の実力を今に伝え、戦国期の知多半島を象徴するる沈黙の要塞だな、と そんな地元の城を想いながら、私は本作を読んだよね。
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