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ベランダ園芸で考えたこと の商品レビュー

3.7

12件のお客様レビュー

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2024/09/24

ベランダ園芸についてのエッセイ集だなぁくらいの気持ちで読んでみた。違った。植物と一緒に生きる1人の作家の人生が書かれていた。 「あとがき」を読んでナオコーラさんのその後の境遇に胸が苦しくなり、「そのあとのていたらく」でほっとした。 読み終わった後にカバーを外した表紙を膝に、感想を...

ベランダ園芸についてのエッセイ集だなぁくらいの気持ちで読んでみた。違った。植物と一緒に生きる1人の作家の人生が書かれていた。 「あとがき」を読んでナオコーラさんのその後の境遇に胸が苦しくなり、「そのあとのていたらく」でほっとした。 読み終わった後にカバーを外した表紙を膝に、感想を書いていて気がついた。 タイトルが「ベランダ園芸で考えたこと」。 ちゃんと「考えたこと」が書かれているよ、と表現されていた。 ナオコーラさんの文章は小説、エッセイ集どちらでもすっきりとしていてどこか爽やか。好みの文章を書かれる作家さんなので、他のまだ読んでいない著書も読んでみたい。

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2024/08/15

小林聡美さんの著書で紹介されていた本。 山崎ナオコーラさんの作品は読んだことがないので これが初となった。 園芸が趣味とのことで、植物が育つ様子と 日々の暮らしを交えたエッセイ。 旦那さんの収入とか、家賃のこととか 割とリアルに書かれていた。 最後の章の『さようなら、私の...

小林聡美さんの著書で紹介されていた本。 山崎ナオコーラさんの作品は読んだことがないので これが初となった。 園芸が趣味とのことで、植物が育つ様子と 日々の暮らしを交えたエッセイ。 旦那さんの収入とか、家賃のこととか 割とリアルに書かれていた。 最後の章の『さようなら、私のベランダ』は なんだかこれまでの章と雰囲気が違っていた。 旦那さんの収入レベルに生活を合わせろって いう世間の反応が嫌だったのかなあ。 ご自身で活躍されているんだから、世間の妬みとか 僻みなんて気にしないでほしいなあ。 いろんな”ごみ”として捨てられていく野菜や果物の種を 植えると、育つってなんだかおもしろい。

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2024/04/08

山崎ナオコーラさんが園芸を通じて考えたことのエッセイ。 著者も書いているように高齢化社会に於いて趣味はますます重要になると思う。 どの趣味がいいかと悪いとかはなく、園芸でも登山でも楽器でも趣味を通してテクニックだけを学ぶ人と新たなアイデアや死生観を得たりする人までいて、結局は感...

山崎ナオコーラさんが園芸を通じて考えたことのエッセイ。 著者も書いているように高齢化社会に於いて趣味はますます重要になると思う。 どの趣味がいいかと悪いとかはなく、園芸でも登山でも楽器でも趣味を通してテクニックだけを学ぶ人と新たなアイデアや死生観を得たりする人までいて、結局は感性なんだろうな。 「ともかくも、私はこの先の人生を、読書をし、執筆し、草花を育て、畑を耕し、散歩をして生きていく。」P204

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2024/06/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2024.06.追記: この本くらい抜け感がありつつ充足感ある本はなかなかまだ見当たらないかも。 2023.感想 この本はとても読みやすい導入で、初日に一気に半分まで読んでしまった。植物との出会い、育て方、組み合わせ方、間引き方、それに対する想いなどエッセイとして追体験と、教えてもらえるような感じがした。 中文、ナオコーラさんは世間の声や見え方を気にされるのだな、という文章が所々に見られたが、それでも、振り絞るように本音を書き残してくれていて、代弁してくれているような気持ちと、本を読むからには出会いたかった本音が少し見えたのがよかった。 個人的には、「ゴミ」という言葉が好きということ(没案が出来ても肯定が出来るし)、「借景」で引用されている百合子さんの文章が心に残る。 最後の章に向かうにつれ、美しくも悲しく、悲しくも美しい園芸との距離感が描かれていく。人生の、機を選んでくれない感じが、描かれている本の世界の幅を広げているように思う。自分も、近所に川があり散歩をするのが好きだ。また、長野に行った時、山が雄大と聳え立つことに安心をする。自分以外の時の流れがある、ということに安心する。この人もそう思っていたのだ、自分と同じことを感じて生きている先輩がいるのだ、ということが知られて心が広くなる感じがした。 園芸の話から、生きることに緩やかにつながっていく魅力があった。

Posted byブクログ

2022/12/30

幼い頃、花とか、花火とか、天邪鬼であまり好きではなかった。すぐ消えるし。(まあ花束にはいつも憧れてはいたか) でも大人になった今ではすぐ消えるものの方が良いな、と思う節がある。 儚さ云々ではなく、単にものが増えることに少し躊躇いが出てきた。 恋人には、毎年記念日に観葉植物をプ...

幼い頃、花とか、花火とか、天邪鬼であまり好きではなかった。すぐ消えるし。(まあ花束にはいつも憧れてはいたか) でも大人になった今ではすぐ消えるものの方が良いな、と思う節がある。 儚さ云々ではなく、単にものが増えることに少し躊躇いが出てきた。 恋人には、毎年記念日に観葉植物をプレゼントする。いつか気付いた時にジャングルみたいになっていたら面白いなと思う。 今年は苗だけで鉢植えは一緒に買いに行くことにした。自分でもほんの少し植物を育てたり、月に1回か2回生け花をするようになり、切り花も美しく、何となく気持ちが晴れやかになって良いな、と思うようになった。 そんなタイミングでたまたまこの本に出会って心が躍った。 とにかくナオコーラさんの文章が好きで、ナオコーラさんが書いたものを読みたくて、書店で検索するとたまたまこの本が並んでいた。 私はあれこれ考え続けることがすごく好きで、自分を好きになるために、自分を幸せにするために生きようと思っている。 いや、普段はあまりそんなこと考えていない。 だけどこの本を読みながらそんなことを思った。 筆者が賃貸マンションのベランダで家庭菜園をして、それを通して気がついたことや考えたことを書き留めているようなエッセイたちなんだけど、気がついたら読みながら人生のことを考えてしまって笑ってしまう。 解説の藤野可織さんも「生きいく」という気概というテーマで解説を書いていて、さらに笑ってしまう。 なんだかナオコーラさんの文章は、私はこんなふうに生きるぞ、という自分の軸のようなものを考えさせられる。本人はあまり意図していないんだろうけど。 バジルはいつか育てたいと思っていたけど、とりあえずディルも育ててみたいな。 春が待ち遠しくなりました。

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2021/10/14

ベランダ園芸私もしてるので、どんなふうにベランダ園芸してたのかなあ、と思って買いました。解説にもあるのですが「生きていく」といく気概を感じるというか、植物を通して自分のいのちを見るような一冊でした。あと、「いつか一軒家に住みたい」「庭がほしい」って、思っていいんだ、という許しみた...

ベランダ園芸私もしてるので、どんなふうにベランダ園芸してたのかなあ、と思って買いました。解説にもあるのですが「生きていく」といく気概を感じるというか、植物を通して自分のいのちを見るような一冊でした。あと、「いつか一軒家に住みたい」「庭がほしい」って、思っていいんだ、という許しみたいなものがありました。

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2021/01/31

ベランダ園芸を始めたので読んでみた。 私は今まで花の苗を買ってきて植えたことしかなかったが、この本では種から育てることの面白さや深さを、どうしてそう感じるのかということが掘り下げて書かれていた。 普段ぼんやりと感じていることが明文化され、なるほどと腑に落ちることだらけで、これはも...

ベランダ園芸を始めたので読んでみた。 私は今まで花の苗を買ってきて植えたことしかなかったが、この本では種から育てることの面白さや深さを、どうしてそう感じるのかということが掘り下げて書かれていた。 普段ぼんやりと感じていることが明文化され、なるほどと腑に落ちることだらけで、これはもう種を撒くしかないと思った。

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2020/09/22

題名に引かれて読んでみた。私も園芸を少しやっているので実用的な知識も得られて得した感じ。非常に凝る人なので中々参考になった。作家として人間として非常に誠実 正直な人なので読んでいてスカッとする。「東日本大震災の後、私は生活することが恥ずかしくなってしまった」自分を納得させたくてグ...

題名に引かれて読んでみた。私も園芸を少しやっているので実用的な知識も得られて得した感じ。非常に凝る人なので中々参考になった。作家として人間として非常に誠実 正直な人なので読んでいてスカッとする。「東日本大震災の後、私は生活することが恥ずかしくなってしまった」自分を納得させたくてグリーンカーテンを始めた、という気持ちよくわかる。

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2019/07/22

太陽がもったいない、を改題していたんですね。ナオコーラさんのあとがきを読むと山崎ナオコーラさん自身の時代のうつろいを一気に感じました。2人目のお子さんを出産予定との事ですので、なによりです。

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2019/07/14

小説を読んだことはないけど、おおむね淡々とした筆致の中に垣間見える信念や、この人なりの情熱の表し方がいいなぁと思った。 植物を鉢に植え、水をやり、花や果実に一喜一憂する。趣味としての園芸というのは言ってみればその繰り返しで、相手から自分に対するアクションというのはないわけだ。完成...

小説を読んだことはないけど、おおむね淡々とした筆致の中に垣間見える信念や、この人なりの情熱の表し方がいいなぁと思った。 植物を鉢に植え、水をやり、花や果実に一喜一憂する。趣味としての園芸というのは言ってみればその繰り返しで、相手から自分に対するアクションというのはないわけだ。完成というゴール地点もない。 しかし一連の作業をしながらあれこれと、関係あることないこと考えだしたりするのはなんか、分かる。作業を書き連ねていくだけの中にふと、自分の好き嫌いを発見したり、なんで自分がこれをしているのか考察してみたり。園芸の時間はとても長い代わりにたくさんの余白を持っているんだなと思う。 「ゴミから伸びるもの」や変化朝顔から容姿の話に跳ぶ「奇形を愛でる」の話がおもしろかった。

Posted byブクログ