ナイトガーデン 完全版 の商品レビュー
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ふったらどしゃぶりを読んでいた時は、正直、和章のことがよく見えなかったし(整というフィルターが強すぎて)ちょっと悪者な印象だったけれど、悪い人では全然なかった。傷ついた人だった。そして真っ直ぐな人。 柊が、本当にいい子で、優しい。そして、柊も傷ついていて。 先生の最後が悲しかったけど、本心がみえて、人間らしさが出たところは、心にささった。 傷ついた人たちの、癒しと再生の物語かな。 穏やかで、前向きな終わりに、救われました。
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なんてぴゅあなふたりなのか… すべての人にとげがあるんだなぁ。人にとっては些細なものに見えるかもしれないとげたち、抜けなくなったとげたち。それも含めて今そこにいるあなたで。これからはそれ以上とげは増えないようにはできる。 なんて真っ直ぐな人たちなんだろう。
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和章の、石蕗先生の、柊の、それぞれの抱えたいびつな棘が、歪なまま静かに受け入れ、他者の存在によって許されていくまでの物語。 柊ちゃんの両親はいわば息子に捨てられたも同然で、書き下ろしでお母さんの痛みがちゃんと触れられていたのにもホッとしました。 柊ちゃんはあそこで両親ともちゃんとわかり合った上で本当の意味で大人になれたんだなぁと。 一文一文の研ぎ澄まされた表現がとにかくどうしよもうなく好きで、初めて読んだ場面と同じ場面でやっぱりまた泣いてしまう。 和章と柊が異なる世界に生きてきた同士だからこそ惹かれ合い、和章の中に新しい色がどんどん足されていくこと、その色彩に戸惑いながらもふたりの恋がどんどん花開いていくところがとても好きです。
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「ふったら、どしゃぶり」読了。 前作では、どうしても整に肩入れして読んでいたので、今作で和章の人となりが理解できて良かったです。勢いよく展開するというより、静かに氷が溶けていくのを見守るようなお話でした。書き下ろしは温かい空気感で、優しい気持ちになりました。
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「ふったらどしゃぶり」のスピンオフ完全版。 前作との違いは読み比べていないのでわかりませんが、読むとやっぱり和章も幸せになって良かったな~という気持ちに。 その相手である柊の話でもある今作は、傷を負った人間が傷を背負ったまま生きていくのに苦しんで、悩んだ末に自分以外の人間によって...
「ふったらどしゃぶり」のスピンオフ完全版。 前作との違いは読み比べていないのでわかりませんが、読むとやっぱり和章も幸せになって良かったな~という気持ちに。 その相手である柊の話でもある今作は、傷を負った人間が傷を背負ったまま生きていくのに苦しんで、悩んだ末に自分以外の人間によって救われる…というか背負ったまま生きていけるようになる話、かなと。 解決を得ないまま死んでしまった柊の祖父のことを考えると悲しくなりますが、和章がいることによってその痛みが少しでも軽くなるのなら、それ以上のことはないように思います。自然と寄り添い合っていくこの二人には、穏やかで静かな愛情が似つかわしい。素敵なお話でした。
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いやもう。一文一文が大好き!噛みしめ噛みしめ読みました。 心の動きや内面に関する文が多いと思うんだけど、和章さんの心のうちが、その変化が見られるのが何しろ嬉しい。柊も、見た目あっけらかんとしてるけど実は棘や傷を抱えている。柊のじいちゃんである石蕗先生も。それぞれの傷、棘、温もり、美しいもの。やっぱり一文一文が愛しいとしか言いようがない。和章さんの「おれが寂しいんだ」って台詞に、変な話「あっ、やっと表出できた!」って胸が締め付けられた。自分を責めてばかりで自分の気持ちにずっと蓋をして感情を動かさずに来た彼が、息を吹き返したんだなぁって。 で、ムッツリ(笑)いいんだ、和章さんはムッツリが身上だ(笑笑)
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