絶対に失敗しない話し方の技術 の商品レビュー

ビル・マクゴーワン(著者),アリーサ・ボーマン(著者),小川敏子(訳者)

2019/06/30

　7つの法則とその実践として臨機応変な対応、仕事上の困った状況の切り抜け方、プライベートの場を円滑に乗り切る方法をわかりやすい例とともに解説している。そしてやってはいけないこともいくつか触れている。例えば相手の名前を呼ぶことや「それはよい質問ですね」という対応である。これが良いやり方であった時もあるが、今はもう古い方法なのだそうだ。

　さて、なぜ話すことが難しいのか、失敗してしまうのかの原因も明らかにしている。それは準備と練習をしていないこと。特に準備は事あるごとに重要性に触れている。つまり7つの法則の前提となるのは準備であり、準備をしておかなければ7つの法則も活かせないということである。自分自身、準備不足で発表がうまくいかなかった経験があることからも十分納得ができる。一方、臨機応変な対応は事前準備に反するように思えるが、会議であれパーティーであれ参加することが事前に分かっていれば議題や参加者について確認しておくことは可能、すなわち準備しておくことは可能ということなのである。

　シリコンバレー発祥の最新の手法といってもたどり着く先は準備だった。しかし、それだけ準備もせずに話している人が多いということでもある。皆が準備をしていないということは、ちゃんと準備をしておけば簡単に一歩リードすることができるということでもある。