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ピアノが上達する音楽の思考法 の商品レビュー

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2023/11/24

 楽譜のアナリーゼの方法について、和音とか音階とか調性とか拍とリズムなどを解説しながら、こうなっているからこう弾く、という意図が持てるようにするための本。「楽譜から演奏につながるライン」(p.13)を解説した本。  初心者向きではあるのだろうけど、すぐ短3度、とか転回音程、とかそ...

 楽譜のアナリーゼの方法について、和音とか音階とか調性とか拍とリズムなどを解説しながら、こうなっているからこう弾く、という意図が持てるようにするための本。「楽譜から演奏につながるライン」(p.13)を解説した本。  初心者向きではあるのだろうけど、すぐ短3度、とか転回音程、とかそういう話になるので、楽典の基礎は分かっている人じゃないと難しいと思う。未だにちゃんと和声法を勉強し損ねているのもあって、おれにはちょっと難しいところもあったが、前に読んだ『合唱上達のポイント50』のところでも書いた通り、とっても分かりやすい比喩がたくさん出てくるので、それなりに参考になった。以下、その部分のメモ。  まず和音の基本の話で、「3度は明暗を分ける音程、5度は安定する音程です。根音が左足だとすると、第5音は右足。自分がまっすぐしっかりと立っていたら、両足が対等で両足の中心戦場に自分の顔がある。これが明るい顔だったら長3度、暗い顔なら短3度です。このように1度と5度があって、3度で明暗を分けている。それが和音の基本です。」(pp.51-2)のところがわかりやすかった。p.52にはシンプルな絵もあって、覚えやすい。次に和音の進行のところで、「和音進行を外出にたとえると、トニック(T)は自宅、ドミナント(D)は最終目的地です。サブドミナント(S)は経由地。最後のトニックで自宅に戻ってきます。」だからT-D-T、T-S-D-Tが基本、最終目的地に行かないT-S-Tは「やや違和感のある進行」(p.81)で、代表例は「讃美歌の変終止(アーメン終止)」(p.82)も分かりやすかった。それから音楽用語の「アゴーギク」(p.97)って聞いたことあったけど意味がわからないままになっていたが、辞書を調べるとAgogikと書いて、「音の強さの変化(デュナーミク)と対をなす概念」で「緩急の変化をさす」ということだそうだ。あと「人はふたつのラインを同時に対等には聴けない」(p.99)という部分は合唱をこの前やったおれにとっては面白かった。てか混声四部とかで自分はバスを歌っていたけど、おれの歌っている旋律って全然聞こえないよなあ、とか正直思ってしまっていた。もちろん意味はあるんだろうけど。あとは増1度進行は「通常の音階にはない動きとなり、ほかの調への転調を示唆している場合があります」(pp.117-8)ということだそうだ。「同じ幅のとなり同士の進行でも、増1度と短2度では意味が違ってきます。聴くと違いがわかるように演奏する工夫が必要です」(p.118)ということで、それはわかるけど、どんな感じなんだろ?ということで、音を聴いてみたいなあとか思った。  文庫本のサイズで文字が大きく140ページほどしかないので、読むだけならあっという間に読めてしまう本。(23/09)

Posted byブクログ