内なる辺境/都市への回路 の商品レビュー
内なる辺境には、ミリタリールックと異端のパスポートと内なる辺境の3編がある。中心の内なる辺境はユダヤ人についての説明である。中心はユダヤ人の作家である。また現在が不明なので2000年の昔に根拠を持ってきたとも説明している。
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単なるSF作家でも、単なるファンタジー作家でもなく、ちゃんとブンガクしている無国籍で硬質な安部公房が好きだ。 小学生の終わりの頃に「R26号の発明・赤い繭」が収録されていた新潮社の文庫本を、ジュークボックスがチープなBGMを鳴らしている薄暗いプールバーの片隅のソファで読んでいた...
単なるSF作家でも、単なるファンタジー作家でもなく、ちゃんとブンガクしている無国籍で硬質な安部公房が好きだ。 小学生の終わりの頃に「R26号の発明・赤い繭」が収録されていた新潮社の文庫本を、ジュークボックスがチープなBGMを鳴らしている薄暗いプールバーの片隅のソファで読んでいたら、「へんな子ですね」と言われていたというのを後日聞いた。 昭和天皇崩御の前後だったと記憶している。 あれから四半世紀はゆうに過ぎ、最近はYouTubeで安部公房のドキュメントや対談などで肉声や動いている姿が観られる。 しかし、それも20年ほども前の番組だったりして、安部公房自体は今どれほどの新しい読者がついているだろうか。 今のタイミングでの新刊というのは嬉しいけれどナゾ。 解説は先日お亡くなりになられたドナルドキーン氏。 こういう、昔の絶版になった名著を多少高値でも構わないので、なんなら電子書籍ででも十分なので、復刊していただきたい。 (まだまだ紙のページをめくりたい指先を持っているタイプの人間ではあるが。) この度の出版に、ささやかな祝辞を贈りたい。
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なぜ今になって文庫が出たのか。結局最後まで謎のままだった。たぶん読んだことがあるはずなのだが、まったく記憶にない。そして、今回読みながらも、ほとんど記憶には残っていない。唯一、ガルシア・マルケス「百年の孤独」はやっぱり読まんといけないなあ、そんな思いになった。あとは、ちょっと気に...
なぜ今になって文庫が出たのか。結局最後まで謎のままだった。たぶん読んだことがあるはずなのだが、まったく記憶にない。そして、今回読みながらも、ほとんど記憶には残っていない。唯一、ガルシア・マルケス「百年の孤独」はやっぱり読まんといけないなあ、そんな思いになった。あとは、ちょっと気になって付せんをはったところ。「青年に反抗がつきものであるくらい、百も承知のことである。不満だから反抗するのではなく、反抗するために、不満の種を見つけ出すと言ってもいいくらいのものだ。」「たとえば人間の死はむろん第一に肉体の死だ。実はそれ以上に、人間の死の本質は未来の喪失なんだ。未来を絶たれるわけだ。ところが、人間というのは、自分を未来に投影することによってはじめて人間なんだよ。未来に自分を投影しているのは『言葉』の機能だ。『言葉』がなかったら次の瞬間があるだけで、未来はない。人間の死というのはその未来の剥奪ですよね。人間が自由を求めるのも要するに自分を未来に投影する自由を求めているんだ。」久しぶりに、「箱男」とか「密会」とかも読んでみたくなった。
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現代の異端の本質を考察した連作エッセイ「内なる辺境」、芸術観を率直に語った「都市への回路」。著者の創造の核心を知りうる好著の合本。写真多数。
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エッセイとインタビュー、対談などを収録。 安部公房の異質さというか、どのカテゴリにも収まらない感じが色濃く出ている内容だった。久しぶりに『箱男』とか読み返したいなぁ……・。
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