イタリアン・シューズ の商品レビュー
刑事ヴァランダーシリーズの著者が、孤独な初老の男性の人生の再生を描いた物語。スェーデンの凍った海や深い森の描写が、個々の生き方を寛容に包み込む。期待したミステリー小説では無かったので、星2つ。
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北欧ミステリーでは最も好きなヴァランダー警部シリーズの作者であるマンケルのノンシリーズ作品。ミステリーではなくマジックリアリズム的な文学。 ヴァランダー警部の父親は、ひたすら同じモチーフの油画を描き続け、時に突然エジプトに行きピラミッドに登ろうとして逮捕されてしまうような不思議な...
北欧ミステリーでは最も好きなヴァランダー警部シリーズの作者であるマンケルのノンシリーズ作品。ミステリーではなくマジックリアリズム的な文学。 ヴァランダー警部の父親は、ひたすら同じモチーフの油画を描き続け、時に突然エジプトに行きピラミッドに登ろうとして逮捕されてしまうような不思議な存在。この作品の登場人物に通じるものがあるな。 普通ならベストセラー作家の「異色作」というマニアックな存在になりそうなのに、これがフランスやイギリスでも高く評価されたというのはふかかいだな。3.2
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我儘な男の生き様 嫌な時は嘘を吐いてでも逃げる卑怯者と呼ばれても仕方のない気弱な男 最後まで真の愛を知ることなく孤独に生きるしか無くなる 可哀なのは一心に待ち続けた恋人の心境 子供ができたことも知らせる事が出来ず一人で苦労して育てた だが子も何処か父親に似て孤独、独創的で単独行...
我儘な男の生き様 嫌な時は嘘を吐いてでも逃げる卑怯者と呼ばれても仕方のない気弱な男 最後まで真の愛を知ることなく孤独に生きるしか無くなる 可哀なのは一心に待ち続けた恋人の心境 子供ができたことも知らせる事が出来ず一人で苦労して育てた だが子も何処か父親に似て孤独、独創的で単独行動を好む、人を信頼できない性格になる 「思いやり」「家族の絆」を忘れない人生が楽しく嬉しいものだ
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傑作ミステリー・ヴァランダー刑事物の作者によるカズオイシグロ著「日の名残り」を思い起こさせる作品。過去の出来事への悔恨から世捨て人になっていた65歳の男に思いもよらない形で人生の転換期が訪れる。 遺作となった続編をすぐにでも読みたいところだが、あとがきで訳者曰く、ヴァラン...
傑作ミステリー・ヴァランダー刑事物の作者によるカズオイシグロ著「日の名残り」を思い起こさせる作品。過去の出来事への悔恨から世捨て人になっていた65歳の男に思いもよらない形で人生の転換期が訪れる。 遺作となった続編をすぐにでも読みたいところだが、あとがきで訳者曰く、ヴァランダー・シリーズ最終巻とどちらか先になるかということだったようで、「苦悩する男」が今月刊行されるらしいから、英語版 ”After the fire” を取り寄せるしかない…
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生きている事を確かめるため、冬の凍った入り江に穴を開けて裸で浸かる日課 徐々に拡大する台所の蟻塚 毎年直そうと眺めるだけで変わらない、シート下のボート 島に立つリンゴの木と渡り鳥の凍った死骸 スゥエーデンの森と湖、凍てついた風景 用もないのに立ち寄る人と、用がない事をいう為に...
生きている事を確かめるため、冬の凍った入り江に穴を開けて裸で浸かる日課 徐々に拡大する台所の蟻塚 毎年直そうと眺めるだけで変わらない、シート下のボート 島に立つリンゴの木と渡り鳥の凍った死骸 スゥエーデンの森と湖、凍てついた風景 用もないのに立ち寄る人と、用がない事をいう為に待つ人 突然氷の上に歩行器に頼って現れた、元恋人 凍った湖の穴に落ちて、余命僅かな元恋人に助けられる男 道端でたたずむ犬と、その飼い主の老女が孤独死していた現場 お互いの存在を知らなかった父と娘の戸惑いと、黙って眺める母 自分のせいで片腕となった女性のもとへ、15年経って初めて訪ねる男 いつも日本刀を裸で持ち歩いている、国籍も生い立ちもわからない少女 逃げる弱さと、不器用なやさしさ、不自然な会話 これからこの物語を読む人、または今読んでいる人へ、どうか主人公を「嫌な奴」の一言で片付けないで欲しい。 世の中には主人公と似たり寄ったりの人は大勢いて、多くは何も感じずに平然と世間に溶け込んでいる。 彼はあまりにも弱く不器用で、「逃げる」ことしか思いつかなかった。でも、逃げても心の底で怯え続け、無かったことにはならなかった。 「弱々しいほどの優しさ」のひとつ。 自分では「孤独」と思っていても、周りは彼のことを理解していた。それは夏至のパーティーのこと。 老いは醜い。 少しづつ死が身近になってくるとき、美しい死などは願望の中にしか存在しない。 身近な人が死に向かっているさまを間近で見ているとき、自分の死もまた同様であろうことを恐れ、嫌悪する。年齢も生活も近ければ近いほどそう考えてしまう。 死は怖くない。老いて死ぬまで死を思い続けていることが怖い。 心温まる物語ではないが、心に残る物語ではある。
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スウェーデンの離れ小島で、名前のない犬と猫と共に暮らす66歳の男。12年もの間、人とほとんど交わることなく生きてきた彼に転機が訪れる。それは過去に葬り去ったはずの人々との再会だった……。正直なところ、この主人公にまったく感情移入できず、読むのがしんどかった。それはもしかしたら自分...
スウェーデンの離れ小島で、名前のない犬と猫と共に暮らす66歳の男。12年もの間、人とほとんど交わることなく生きてきた彼に転機が訪れる。それは過去に葬り去ったはずの人々との再会だった……。正直なところ、この主人公にまったく感情移入できず、読むのがしんどかった。それはもしかしたら自分にも似たところがあるとわかっているからかもしれない。さて、これから先の人生をどのように生きていくのか、真剣に考えなければ……。
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ヴァランダー警部シリーズの作者だったので。 できるだけ事前に情報を得ないようにして、 本を読むようにしている。 その方が純粋に楽しめるような気がして。 島に一人で住む元医師の男性が、 人生を取り戻す話だった。 捨てた恋人、誤った手術、拒絶している人との交わり。 楽しい話ではな...
ヴァランダー警部シリーズの作者だったので。 できるだけ事前に情報を得ないようにして、 本を読むようにしている。 その方が純粋に楽しめるような気がして。 島に一人で住む元医師の男性が、 人生を取り戻す話だった。 捨てた恋人、誤った手術、拒絶している人との交わり。 楽しい話ではなかったが、最後の方の夏至祭りのシーンは美しかった。 あと、ハイドロコプターにのって氷上を移動したい。 そして、誰も殺されないならあらかじめ言ってほしい。
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離島に一人で暮らす元医師66歳。37年前に捨てた女性が突然やって来た。不治の病いに冒されているらしい。彼女は彼が昔連れて行くと約束した湖に連れて行けと言う。他人との関わりを極力避けてきた彼が、他人と関わるうちに・・・ 他人の手紙を勝手に読むようなダメ人間が、段々と変わって行く。...
離島に一人で暮らす元医師66歳。37年前に捨てた女性が突然やって来た。不治の病いに冒されているらしい。彼女は彼が昔連れて行くと約束した湖に連れて行けと言う。他人との関わりを極力避けてきた彼が、他人と関わるうちに・・・ 他人の手紙を勝手に読むようなダメ人間が、段々と変わって行く。ダメ男の再生を静かな筆致で描く。なかなか良かった。
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逃げ続ける男とそれを許さない女たち。思いがけない様々な出来事を経て、姑息で身勝手な主人公が行き着く先に温かな光が見えるような作品。
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医療過誤から医師を辞めたフレドリックは、祖父母の残した離れ小島に犬と猫と暮らしていた。週に数回郵便物を運んでくるヤンソンが昔の恋人ハリエットを運んできた。病におかされたハリエットの望みをかなえるため、フレドリックが子どもの頃訪れた湖へと二人で向かう。 生涯孤独に島で暮らすであろ...
医療過誤から医師を辞めたフレドリックは、祖父母の残した離れ小島に犬と猫と暮らしていた。週に数回郵便物を運んでくるヤンソンが昔の恋人ハリエットを運んできた。病におかされたハリエットの望みをかなえるため、フレドリックが子どもの頃訪れた湖へと二人で向かう。 生涯孤独に島で暮らすであろうと思っていたフレドリックの人生が、思いもしない方向へ走り出す。 なんと個性的な女性たちよ。そして、フレドリックの周囲の友人たちは、皆優しい。
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