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ひとの気持ちが聴こえたら の商品レビュー

3.9

14件のお客様レビュー

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2019/10/09

自閉症スペクトラムの要因は不明だが、経頭蓋磁気刺激(TMS)のように効果のある施策が増えるのは望ましいと思う。しかし、自閉症スペクトラムを治療できるようになってしまうことで、彼らが持っている類い稀なクリエイティブな才能が、社会に還元されなくなってしまうことを引き起こすのではないか...

自閉症スペクトラムの要因は不明だが、経頭蓋磁気刺激(TMS)のように効果のある施策が増えるのは望ましいと思う。しかし、自閉症スペクトラムを治療できるようになってしまうことで、彼らが持っている類い稀なクリエイティブな才能が、社会に還元されなくなってしまうことを引き起こすのではないか、と危惧する。秀才ばかりの世の中では息苦しい。

Posted byブクログ

2019/07/30

新聞の書評で おっ と思って その日のうちに 図書館に行った なじみの図書館であり この本が ちゃんと選書されていることに あらためて なじみの(!)図書館で良かった と いゃあ ノンフィクションの醍醐味を たっぷり 堪能させてもらいました。 副題に 「私のアスペルガー治療...

新聞の書評で おっ と思って その日のうちに 図書館に行った なじみの図書館であり この本が ちゃんと選書されていることに あらためて なじみの(!)図書館で良かった と いゃあ ノンフィクションの醍醐味を たっぷり 堪能させてもらいました。 副題に 「私のアスペルガー治療記」とあるように 著者自身がご自分の 治療経過を克明に わが身、わが脳を通して語ってくれる かなりの高度な 解析能力 そして 文章力が必要とされるのは当然のこと 医療分野の専門用語が いくつも出てくるのだが 著者の経験があまりにも 強烈で 興味深いので のめり込むように読み進まう 本文中にも 出てくるけれど 私たちの「脳」の未知数は どれほど あるのだろう… と 思わせられました 人が感情を持つことで どれほど 豊かになるのか 人が感情を持たないことで どれほど 有能になれるのか いろいろなことを 考えさせてもらえました

Posted byブクログ

2019/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回はしっかりと感想を書いてみたいと思います。 . この本は『アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)』である筆者が、 『TMS』という治療実験を受けた時の経験を軸に、 自閉症の人の思考や行動、脳科学、自身の家族など色んな内容が書かれている本です。 難しい部分もあるけど、とても興味深くサクサク読めたり、グッと考えさせられる部分もあります。 . では、そんなてんこ盛りの内容のこの本で、僕が一番面白かった内容に触れます。 . 脳には【視覚野】という部分があります。 この部分は、簡単に言うと、 『視覚(目で見た)情報を使って、周りの状況(距離や方向)を把握する部分』 つまり、道に落ちている障害物を避けて歩く時に使っている部分って事です。 . ここでひとつの疑問が浮かびます。 「目が見えない(視覚情報がない)人の【視覚野】は使っていないのでしょうか?」 上の説明からすると『使っていない』ような印象を受けますよね? ところがどっこい、 「目が見えない人も【視覚野】をしっかりと使っています。」 そもそも【視覚野】という名前は『目が見える人が多い』からこの名前が付いてるだけであって、先に書いたように、この脳の部分の本質は『周りの状況把握』をすることです。 . 例えば、目が見えない人には『音(聴覚)』で物との距離が分かるようになり、歩いたり走ったり出来るようになる人もいます。 (ここが僕がとても面白いと思ったトコですが、) この【視覚野】という部分を使い『音が聞こえる』のではなく『音が見える』ようになるのです。 目が見える人:見る→視覚野→避ける 目が見えない人:聴く→視覚野→避ける ってこと。 . 凄くないですか?人間の脳って!! 入力(視覚や聴覚)が変わっても、同じ行動(避ける)が出来るのです。 車のエンジンに例えるなら、 ガソリンだろうが、軽油だろうが、灯油だろうがどれでも大丈夫ってこと。 . この事実を知った時、面白くてたまりませんでした!! 難しい単語が多かったので少し読み難くはありましたが、自閉症などに対する理解を深める上でも、一度は読んでおいて良い本だと思います。

Posted byブクログ

2019/06/11

実体験からなる魔法のような体験を書いた本で、脳の働きについて考えさせられました。 特に「脳の一部の機能が劣っているとき、その部分が別の能力のために使われている」という点に納得感がありました。 そうなると平均を求めるよりは、そういったものも個性として受け入れる社会にすることが...

実体験からなる魔法のような体験を書いた本で、脳の働きについて考えさせられました。 特に「脳の一部の機能が劣っているとき、その部分が別の能力のために使われている」という点に納得感がありました。 そうなると平均を求めるよりは、そういったものも個性として受け入れる社会にすることが人類全体として目指す方向なのではないかと思いました。 しかし脳をいじっただけで一瞬で「人の気持ちが分かる人」になるということは、察するスキルって後天的に得られるものというよりはほぼ才能なんですね。

Posted byブクログ