もう二度と食べることのない果実の味を の商品レビュー
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恋と呼ぶには あまりにいびつで 愛と呼ぶには あまりに早熟で 危う過ぎるその手を けれども取った人は 弱くても 愛だったのかもしれない 恋だけでは 呼吸はできない 優しさは淡くも儚い泡のよう だから夢みたいな恋は いつか終わるもの 目が覚めたら 日常は寒くて 冷静だった いつも通りの日々を 壊してしまいたいと思った その手が けれども 好きという欲望が 崩していく 砂のように 波のように けれども思ったように 壊れてくれない 心の方が 軋んでいく あるいは、体の方が 美しい場所へ行きたいと思った ここではないどこかへ けれどもそれはどこにもなくて 認められなくて 悲しくて悔しくて 寂しくてどこか虚しくて けれども爪を立てて 握りしめて しがみついたそれが やっぱり 壊れることなく 私を許していた 守るための その手だったことに気づけたのなら 壊すためのその手を取ったのは やっぱり 愛だったのでしょう
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主人公が キスとセックスにのめり込んでいく過程も そこから何事もなかったかのように 日常へ戻っていく過程も。 そうして劣等感に苛まれていた姉への 鬱屈した思いの瓦解も。 まるで昭和のよう。 そうして目新しさのない予定調和。 要するに最後まで驚きはなかった。 ただし。作者の文章力は本物だと思う。 物語の発想をもっと柔軟に飛躍させてほしい。 主人公の挫折が第1志望校に不合格になる程度では 小説としては平坦にすぎる。 思いっきりのどん底か 奇想天外な輝かしい未来か。 そのどちらかに帰結してほしかった。 そのどちらでもないところが 旧弊に縛られ 日本社会の「常識」から抜け出せぬまま人生を送る 昭和の人たちを思わせるのだ。
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デビュー作のジェリーフィッシュ、ジゼルの叫びと両方読んでいます。今回はブクログさんからの献本でいただき一足先に読ませていただきました。感謝。 前二作は未熟すぎる部分が出すぎていて読める作品ではなかった、けど、読者であるわたしの心に何か残る、後味の悪さがあったのだけど、今作は言い方変だけどちゃんとしてた。というものの、わたし自身も子供の頃から性への関心が強かったからかもしれません。冴とどこか自分を重ねてしまったからかな。 土屋君とのラスト綺麗だった。再会がありそうだとしてもまた同じ道を交わらせないところも好き。土屋君の、僕も、山下さんのこと、好きだったよ。も好き。逃げ腰の好きだよに返す言葉がだった、がよかった。 淡くて、今にも壊れそうなほど脆い中学時代の恋とも呼ばないもの。セックスを怖いと思うかそうでないか。不安定な中学時代、たまに切なく、悲しくなる。
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ブクログさんの献本企画でいただきました。 ありがとうございます。 主人公は美しく聡明な姉への劣等感をガソリンに 日々高い目標の志望校合格のため勉強に励む。 しかし環境や自身の迷いからセックスを含めた 性体験にはまり込んでいく。 みずみずしい思春期特有の感性を 落とし込む著者は私と同世代ということで 思わず舌を巻いた。文章力が眩しい。 自分を取り巻く環境から逃げたくとも 最終的には逃げられない自分から 逃避する手段として過激にもセックスを 用いているのかもしれないが、 表現としてもう一パンチ欲しかったところ。
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ブクログのプレゼントに何の気なしに応募したら当選したので読んでみた。 自分は男性だけど、思春期なんて記憶にないくらい昔の話だけれど、多少なりとも感情に共感できるところがあったとしても、小説という形にして伝えたいものが何なのか理解できなかった。
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ブクログさんから当選いただき読みました。 んー読みやすいけど、漢字が難しくて読めないところが多かった。ルビ振っててほしかった。 表現方法も難しくしすぎちゃう?って思った。 セックス依存症の人ってこんな感じなんかなー。 思春期特有の苛立ちは良く理解できた。 自己中な感じ。 で、...
ブクログさんから当選いただき読みました。 んー読みやすいけど、漢字が難しくて読めないところが多かった。ルビ振っててほしかった。 表現方法も難しくしすぎちゃう?って思った。 セックス依存症の人ってこんな感じなんかなー。 思春期特有の苛立ちは良く理解できた。 自己中な感じ。 で、結局あれ?どうなったの? 最終、よく分からない。残念。 ただ、土屋くん、めちゃくちゃ良い人。 気になる人。
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中学三年生、多感なあの時期。 繊細な感情の波、 家族や友人との関係、その中にある自分の位置。 随分前に通り過ぎた年齢なのに 読んでいると心がその頃に引き戻されて 胸がキュッとなります。 苦しい、でもない…甘くもない。 ただ、締め付けられる気持ち。 懐かしさを感じました。 私は...
中学三年生、多感なあの時期。 繊細な感情の波、 家族や友人との関係、その中にある自分の位置。 随分前に通り過ぎた年齢なのに 読んでいると心がその頃に引き戻されて 胸がキュッとなります。 苦しい、でもない…甘くもない。 ただ、締め付けられる気持ち。 懐かしさを感じました。 私はすごく引き込まれました。 感情が静かに揺さぶられる、そんな本。
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