宅地崩壊 の商品レビュー
能登半島地震を機に再読。戦前の全否定、持ち家政策、高度成長期のミスリード、土地偏重等々が絡み合って生まれた谷埋め盛土の造成。地学の軽視による危機管理の欠如が相まって現在の重大なリスクとなり、来るべき首都直下地震でさらに顕在化するとします。このようななかでどう生存戦略するか、とても...
能登半島地震を機に再読。戦前の全否定、持ち家政策、高度成長期のミスリード、土地偏重等々が絡み合って生まれた谷埋め盛土の造成。地学の軽視による危機管理の欠如が相まって現在の重大なリスクとなり、来るべき首都直下地震でさらに顕在化するとします。このようななかでどう生存戦略するか、とても考えさせられます。身近な危機に気付かせてくれる良書でした。
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近年多発している宅地造成地における地滑り災害は、天災や異常気象が原因だと一括りに語られることが多いが、筆者はこの災害の持つ他の側面、すなわち過去の無理な宅地造成事業によりもたらされた人災であり、持ち家政策、土地バブルを生み出した社会政策の歪みが顕在化した一現象であるとも論じている...
近年多発している宅地造成地における地滑り災害は、天災や異常気象が原因だと一括りに語られることが多いが、筆者はこの災害の持つ他の側面、すなわち過去の無理な宅地造成事業によりもたらされた人災であり、持ち家政策、土地バブルを生み出した社会政策の歪みが顕在化した一現象であるとも論じている。豊富な事例と解説でその論拠を示しつつ、結論として、官民の宅地開発関係者だけでなく一人一人が地学的教養を身につけることの必要性を説いている。 最後に引用されていたセリフ、「良いコンクリートを作るには(中略;材料に加えて)、知識と正直親切を加えなければならない」、これはまさしく街づくりに関わるソフト、ハード両面に活かされなければならないことだと感じた。
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