地銀波乱 の商品レビュー
地銀の支店は次々と閉店となり、有能な若手行員の多くが公務員の社会人枠採用で転職していく。将来性のある企業、個人は資金調達をクラウドファンディングにシフトしている。困窮している中小零細企業への融資は、銀行はもっぱら国や地方自治体の支援制度に乗っかったリスク回避によるお付き合いだ。事...
地銀の支店は次々と閉店となり、有能な若手行員の多くが公務員の社会人枠採用で転職していく。将来性のある企業、個人は資金調達をクラウドファンディングにシフトしている。困窮している中小零細企業への融資は、銀行はもっぱら国や地方自治体の支援制度に乗っかったリスク回避によるお付き合いだ。事業者に寄り添うのは商工会議所任せで、ただ事務的にカネを動かすのみ。心底、地銀ってどうなるのと心配になる。この本で、地元の2行が取り上げられ、その実情を知るに不安は高まるばかり。完全民営化が震災で遠のいたとはいえ、民間金融になることに悩む商工中金までもが不正融資を行って日が浅い。存続できないものはしなくてもいいが、我がまちに鎮座するあのデカい2棟の地銀本店、あれも一種の自転車操業のシンボルなのだろうか。
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■2019/05/05読了。 ■現時点での、地銀をめぐる環境を手っ取り早く知ることができる。 ■新聞の連載をまとめたものなのか、終わり方があっけない、日経の本なので仕方ないが。金融庁指導のもと、地銀が地域活性化のために奮闘している良い事例、悪い事例がいくつか。
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日本経済新聞の記事を再構成したものなので、日経を日頃読んでいる人にとって特別な新鮮味はない。ただ、その総括としてのものである。 足下、地銀が置かれている状況の報告である。スルガ銀行から見える苦しさは普く地銀に共通するものだと言えるだろう。 以前、地銀に籍を置いていたものとし...
日本経済新聞の記事を再構成したものなので、日経を日頃読んでいる人にとって特別な新鮮味はない。ただ、その総括としてのものである。 足下、地銀が置かれている状況の報告である。スルガ銀行から見える苦しさは普く地銀に共通するものだと言えるだろう。 以前、地銀に籍を置いていたものとして、現在の苦境がこれほどのところにまで至るとは驚きと心配の思いがある。個人的には、地銀と信金の業務、マーケットが統合されていくことが今後の地域金融の生きる道だと考えている。地銀は行き場を失ったが、コミュニティ金融は必ず必要である。上場会社である必要があるのだろうか。 銀行の組織能力と信金の草の根営業力を統合して、新しいマーケットへ移るのである。地銀にとっては、給与水準が下がるとか銀行ではなくなるとか、確かに大きな痛みがイニシャルコストとしてのっかかってくるだろう。しかし、日本のコミュニティ金融を底上げして、地域の中に溶け込んだ金融市場を創っていけるのではないだろうか。 地銀は信金になって生まれ変わってほしい。
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前半はやや煽り過ぎで、地銀を責め過ぎの感が否めないが、程度の差こそあれ、その辺りを割り引いて読めば、地銀が置かれている苦境をおさらいするには役立つ本。 最終章などの事例が面白かった。
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