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分裂国家アメリカの源流 の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2021/01/25

かなり一気読みで読了。 帯にやや偽りありで、確かに半分くらいはハミルトンを中心として語られているが、内容的にはアメリカ建国から南北戦争までのかなりよくコンパクトにまとめられた通史。 このところ読んで来た『11の国のアメリカ史』や『アメリカ人の物語』のエグゼクティブ・サマリーを読ん...

かなり一気読みで読了。 帯にやや偽りありで、確かに半分くらいはハミルトンを中心として語られているが、内容的にはアメリカ建国から南北戦争までのかなりよくコンパクトにまとめられた通史。 このところ読んで来た『11の国のアメリカ史』や『アメリカ人の物語』のエグゼクティブ・サマリーを読んでいる感じで、なかなか分かりやすくかつ読みやすく良かった。 後半はこれから読もうと思っている南北戦争時代の予習か。 あとがきでペリーが日本へ開国を迫った背景の中心を未だ「捕鯨」としていたり、ホワイトハウスの名前の由来を英米戦争で焼けた後に白く塗られたためと書いていたり、細かなところで事実認識にやや「?」な部分があるものの、全体としては非常によくまとめられた良書かと。 アメリカ建国史の入門書としてお薦めです。読むのにさほど骨も折れませんし。

Posted byブクログ

2020/10/10

1ドル札の肖像画は初代大統領ワシントン、5ドル札は16代大統領リンカーン、それでは10ドル札は誰でしょう?  正解はワシントン政権の初代財務長官アレクザンダー・ハミルトンでした!  誰? なにした人? 偉いの? こんな問題、東大のクイズ王くらいしか正解しないんじゃないの?...

1ドル札の肖像画は初代大統領ワシントン、5ドル札は16代大統領リンカーン、それでは10ドル札は誰でしょう?  正解はワシントン政権の初代財務長官アレクザンダー・ハミルトンでした!  誰? なにした人? 偉いの? こんな問題、東大のクイズ王くらいしか正解しないんじゃないの? と思った方! ご安心ください。あなた平均的な日本人です。  日本人には全く馴染みのない人物だけど、アメリカじゃ有名な方らしい。なんたってお札の肖像画になるくらいだから。間違ったってそこら辺の馬の骨であるわけがない。    アメリカがイギリスからの独立を勝ち取ろうと必死にもがき、ついに13州からなる連邦として初代大統領ワシントンの舵取りによって船出した建国当初、アメリカは国家として全く機能していなかった。13州がそれぞれ州の利権を優先して、国家全体の利益の追求、発展なんて考え方はもっていなかった。流通する貨幣だって州によってバラバラ。従って経済力も州によってバラバラ。  流通紙幣を統一し、発行額を管理、財政基盤を健全化することは国家としていの一番に押さえなくてはいけないところ。そこを任されたのがハミルトン。彼の業績のトップにあげられる成果は国立銀行を設立したこと。州によって暴落していた金融債権を額面通りに国立銀行が買い取るという大鉈を振ろうとした。これには政敵のみならず、味方も反対したが、ワシントンは彼を信用した。税収はどうするのかとか、憲法にはそんな権限は規定されていないとか、いろいろと難航はしたけれども、最終的にはめでたく国立銀行が誕生し、アメリカは国家として体裁をようやく整えだした。  しかし、ハミルトン個人の絶頂はここで終わる。ワシントンという後ろ盾を失ったハミルトンは、その後の2代、3代の大統領からは悉く嫌われ、政治家としてはほぼ終わる。  そして49歳の時、決闘により銃弾を受けて亡くなる。あまりにあっけなく。    ハミルトンを退け、政治の中枢に居座った、ある意味愚か者たちは、国家運営が窮地に陥って初めて、ハミルトンの先見的な展望に遅まきながら気づき、彼の死後に、彼の唱えた政策を実行に移していく。うまくいったり、うまくいかなかったり様々だが、ハミルトンのハの字も出さないで、うまくいったときだけ自分の手柄にしている。なんともずる賢い。     必死にアメリカという国家をつくろうとしたハミルトンと、国家より州や支持基盤を優先して、都合によって国家像を歪めるワシントンより後の大統領たち。  どうしてこんな人たちが大統領になっちゃうんだろう。    トランプ大統領だけが突出しておかしいってことでもないみたいだ。

Posted byブクログ

2019/09/13

アメリカ政治史に特に興味があるわけではなかったが、知見のない人にもとっつきやすく、読みやすい本だった。 アメリカ独立戦争から、南北戦争までの政治対立を、ハミルトンを中心に描いている。 大きな政府を望む工業・商業中心の北部諸州と、小さな政府を望む農業中心の南部諸州の対立が、独立から...

アメリカ政治史に特に興味があるわけではなかったが、知見のない人にもとっつきやすく、読みやすい本だった。 アメリカ独立戦争から、南北戦争までの政治対立を、ハミルトンを中心に描いている。 大きな政府を望む工業・商業中心の北部諸州と、小さな政府を望む農業中心の南部諸州の対立が、独立からずっと続き、今日にもいたっていることは、なるほどなと思った。

Posted byブクログ