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チョムスキーと言語脳科学 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2023/11/17

中途半端な本 チョムスキーの入門としては、いまいちチョムスキーの凄さが分からず、言語脳科学の入門としては、著者の曖昧な実験の概要しか分からない。 特に実験については、想起する能力、認知能力と文法の能力の切り分けが十分になされているかは甚だ疑問

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2023/11/01

酒井邦嘉「チョムスキーと言語脳科学」読了。NHKラジオ番組カルチャーラジオ・科学と人間“科学者6人で探る独創性”で酒井先生のお話を聴講し大変感動した。そんな先生の著書を見つけ読んでみた。すでにラジオでチョムスキーの事を聴いてはいたが、生成AI、大規模言語モデルの登場で注目される言...

酒井邦嘉「チョムスキーと言語脳科学」読了。NHKラジオ番組カルチャーラジオ・科学と人間“科学者6人で探る独創性”で酒井先生のお話を聴講し大変感動した。そんな先生の著書を見つけ読んでみた。すでにラジオでチョムスキーの事を聴いてはいたが、生成AI、大規模言語モデルの登場で注目される言語を科学的に捉え普遍文法を示した統辞構造論、そして先生の脳科学的なアプローチに引き込まれた。おかげで科学の素晴らしさを存分に堪能する事ができた。

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2022/10/18

正直微妙だった。 チョムスキーの理論がどのような点で革新的であったかはなんとなくわかったが、それと脳科学の関係、チョムスキーのその後の研究の展開など、気になるところがあまり書いていなかった。 科学哲学についてかなりページを使って書いていたが、そのような話はいるのか?と感じる。読者...

正直微妙だった。 チョムスキーの理論がどのような点で革新的であったかはなんとなくわかったが、それと脳科学の関係、チョムスキーのその後の研究の展開など、気になるところがあまり書いていなかった。 科学哲学についてかなりページを使って書いていたが、そのような話はいるのか?と感じる。読者が読みたいのはその分野のわかりやすい解説であって、著者の主観的な哲学ではないと思った。

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2022/12/07

二章が分からなくて流し読み。文法は意味から独立して成り立つ。文法の成立は、文法中枢に依存し、文法中枢は脳内に存在する。 p244 因果関係を証明することの難しさ。 「Aが増えると同時にBが増えた」という結果がでた場合、AとBには相関関係があるといえるが、AとBには因果関係がある...

二章が分からなくて流し読み。文法は意味から独立して成り立つ。文法の成立は、文法中枢に依存し、文法中枢は脳内に存在する。 p244 因果関係を証明することの難しさ。 「Aが増えると同時にBが増えた」という結果がでた場合、AとBには相関関係があるといえるが、AとBには因果関係がある(「Aの増加が原因でBが増えた」といえる)かどうかは分からない。

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2019/11/21

脳科学で文法中枢の存在が見つかった。fMRI技術によって文法機能が働いている時の脳の場所が明らかになった。短期記憶機能の場所と近しいのでその影響を差し引くような試験データをもとに明らかにした。チョムスキーの統辞構造論は難しい。でも言語学を理科系の学問のように研究して立てた文法理論...

脳科学で文法中枢の存在が見つかった。fMRI技術によって文法機能が働いている時の脳の場所が明らかになった。短期記憶機能の場所と近しいのでその影響を差し引くような試験データをもとに明らかにした。チョムスキーの統辞構造論は難しい。でも言語学を理科系の学問のように研究して立てた文法理論だ。それを最新の脳科学が検証できるのは素晴らしい。

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2019/06/18

J-CASTニュース「チョムスキーの仮説を日本の研究者が実証した!」2019/6/16 https://www.j-cast.com/bookwatch/2019/06/16009204.html

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2019/05/13

久しぶりにチョムスキーの言語理論にふれたが、やはりおもしろい。あまりにもおもしろいので、読んだ内容を子どもたちにも伝えようとするのだが、しどろもどろという結果。それでも、「みにくいあひるの子」の話はたいがいの子がわかってくれたと思う。なかには「みにくいって見えにくいっていう意味も...

久しぶりにチョムスキーの言語理論にふれたが、やはりおもしろい。あまりにもおもしろいので、読んだ内容を子どもたちにも伝えようとするのだが、しどろもどろという結果。それでも、「みにくいあひるの子」の話はたいがいの子がわかってくれたと思う。なかには「みにくいって見えにくいっていう意味もあるしなあ」などと天然なことを言ってみんなを笑わせてくれる小6女子もいたのだが。さて、このチョムスキーの理論、どういう言語であろうとそこには普遍的な文法があり、それは脳に書き込まれているものだという。この大胆な仮説を、脳科学を通して検証していこうとしている。観測技術の急激な進歩によって、分かることが増えてきているのだろう。実験のデザインもなかなか興味深い。いまのところは、まだまだ受け入れられているとは言えないようだが、アインシュタインの相対論だって、メンデルの遺伝の法則だって、ウェーゲナーの大陸移動説だって、みんなずいぶん時間をかけて、正しいことが認められて行くわけだから、チョムスキーの言語理論もまだまだこれからなのかもしれない。

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2019/05/08

“今さら” と言われるかもしれないけど、あえて基本に立ち返って『統辞構造論』の解説を試みているところが本書の最大の魅力ではないかと思う。 もちろん、“文法中枢” の実在を示した著者自身の研究の紹介も説得力があり、おもしろいのだけど。ただ、現在の生成文法の主流は、いわゆる “文法中...

“今さら” と言われるかもしれないけど、あえて基本に立ち返って『統辞構造論』の解説を試みているところが本書の最大の魅力ではないかと思う。 もちろん、“文法中枢” の実在を示した著者自身の研究の紹介も説得力があり、おもしろいのだけど。ただ、現在の生成文法の主流は、いわゆる “文法中枢” が言語だけに特化したものとは考えないで、むしろ言語以外の認知能力との共通性を探求する方向に向かっているので(Strong Minimalist Thesis)、誤解しないように注意しなければならないと思う。

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2019/04/23

 チョムスキーの生成文法理論の解説と、その理論を証明するための言語脳科学の最近の成果、特に「文法中枢」の存在を確かめた実験の紹介、さらに科学がどうあるべきか、という話まで。  特に第二章は、おれが大学生の時に途中まで読んで挫折してしまった1957年のSyntactic Struc...

 チョムスキーの生成文法理論の解説と、その理論を証明するための言語脳科学の最近の成果、特に「文法中枢」の存在を確かめた実験の紹介、さらに科学がどうあるべきか、という話まで。  特に第二章は、おれが大学生の時に途中まで読んで挫折してしまった1957年のSyntactic Structuresの解説、というのがあって、せめてこういう解説がおれが大学生の時にあったらなあ、と思った。今、日本語でこの解説を読んでもとりあえず言っていることを理解するのが精一杯、という感じで、本書の中でも一番難しい話が含まれているのが第二章だった。「チョムスキーについてよくある批判に、途中で何度も理論が変わるというものがあるが、(略)チョムスキーは最初から究極の言語理論を作ろうとしたのではなく、その出発点と方向性をまず明示して、そのうえで自ら理論の開拓を行っていた。長い歴史を持つ物理学でも、『統一場理論』のように未完成なものがあるくりあだ。現状の理論をより良い理論に置き換えていく努力が常に求められる。それが科学と言う考え方なのである。」(p.153)ということで、生成文法を勉強する上でもこの部分を導入として押さえておくべきだということが分かった。生成文法には変形規則、というのがあるが、著者は「英文法(国文法も)の授業を担当する教師は、願わくば『統辞統語論』を読んで変換分析を理解してから授業をしてほしい。そうすれば、理系の学生に対しても言語に対する興味を失わせないばかりか、文法に対する新たな好奇心を植えつけられることだろう。」(p.156)と言う。なんか英語教員にケンカが売られている感じもしなくもないが、確かに疑問文の作り方とか変形規則として教えることはできるのか、とか思うし繰り上げ変形、なんかはおれも教えてるけど、やっぱり学校で教える文法が個別言語の初歩的な文法であり、かつそれでもこれだけ蓄積された記述文法の研究があって、それをもとに「学校文法」が作られている以上、さらに外国語を母語と全く同じレベルで習得することが不可能だという事実から考えても、普遍文法が存在したとしてそれを教えたら、いくら環境が整ったとしても母語と同じレベルで運用できるわけではないだろうし、「アドホック(場当たり的)な経験則」(p.192)になってしまうのは当然のことだと思う。抽象度の上がる理論を説明するのは頭の良い理系の学生の興味は引くだろうが、文系の学生に対する言語に対する興味を失わせはしないか心配。中等教育に向かないと思う。言語学は科学なのかもしれないが、意味も含めて言語、なのだから意味を扱わない学校文法なんて存在しないと思う。という訳で、「意味を扱わない」というのも、言語の研究の直感に反する気がするが、「チョムスキーは、意味論(言語の意味について論じる言語学の分野)が科学にはどうしてもなりにくいということを繰り返し述べている。」(p.169)ということを知っておきたい。そして第二章の最後には「チョムスキー批判に答える」という部分があって、チョムスキー嫌いの人たちの半ば「過激な」発表、というのが紹介されていて、驚く。最近、テレビで「ピタハン語」とその研究者のドキュメンタリーが放送されていたが、著者はこれも一蹴していることが興味深い。発達心理学では定番のピアジェも「1975年にパリで行われたシンポジウムで(略)チョムスキーに論争を挑んだ」(p.200)らしい。てかピアジェなんてすごい昔の人かと勝手に思っていた。あと脳科学の研究が、「脳内の言語プロセスをブラックボックスと見なして表面的な入力と出力を見ているだけでは、人間の脳にある『言語機能』を理解することにならない。」(pp.189-90)ということで、脳科学研究が表面的に分かるものを材料して行われる段階からその先に進んでいることが分かる。それができるのもfMRIのおかげ、ということだそうだ。最終章は科学とはどうあるべきか、科学者はどう研究すべきか、因果関係と相関関係は違う、とかバイアスにかからない、とかそういう話があって、高校生に読ませたい話。「重力波の検出という偉業を成し遂げたアメリカの実験グループは、分析担当者のためのデータにあえて偽物を紛れ込ませて、都合のよい解釈をしないかどうか試すようなことまでしていた。」(p.244)というのは驚きだ。  まさに理系の言語学、科学としての言語学、でカッコイイと思う。けどおれはやっぱり、見下されるのかもしれないけど、英語や言語の色んな事象を観察するだけで満足。バランスを取って勉強していきたい。(19/04/23)

Posted byブクログ