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コーパスと辞書 の商品レビュー

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2023/05/31

恩師である、伝康晴先生も著者の名に連ねていたこと、そして、その先生から習ったコーパスにも触れられていることから、この本に手をつけた。 コーパスとは、言語の総体である。有名な話としては、源氏物語の宇治の部分が、紫式部とは別の人が書いたということを、句点と句点の長さで、識別したとい...

恩師である、伝康晴先生も著者の名に連ねていたこと、そして、その先生から習ったコーパスにも触れられていることから、この本に手をつけた。 コーパスとは、言語の総体である。有名な話としては、源氏物語の宇治の部分が、紫式部とは別の人が書いたということを、句点と句点の長さで、識別したということである。 このように無意識に使う言語を対象とするのが自然言語学であると認識している。やり方はこの本の付録のSQLを使えばいいのだろう。しかし、まず、同音異義語など、判別に苦しいものもあるから、最初に辞書を作る人は丹念な人たちだと思う。一方で、コーパスよりも、自分の感性を生かす人もいるらしい。むしろ、コーパスは後から出てきた新参者である。 私が、恥ずかしながら知らなかった言葉に、コロケーションというものがあった。私のメモがわりに書いておくと、慣用句ではないが、その前後で一緒に出てくる確率が高いペアのことである。例えば、「車が走る」というときの「車」と「走る」である。しかし、車がいかにゆっくり移動しても、「車が歩く」とは日常的な表現ではないだろう。しかし、どうも、このコロケーションを調べあげるには、まだまだコーパスの量が貧弱であるらしい。

Posted byブクログ