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ユダヤ世界に魅せられて 増補版 の商品レビュー

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2019/07/13
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日本でも有名な歌に「ドナドナ」がある。この歌は1938年にユダヤ人とポーランド人の俳優たちの共同演劇のために作られた。作家アイザック・シンガーの友人でもあったユダヤ人詩人アーロン・ツァイトリンが作詞したもので原詩はイディッシュ語の歌である。「ダナダナ」というタイトルだったが、英訳されてジョーンズ・バエズが歌った際に「ドナドナ」となr、それが世界中に定着している。「かわいい仔牛」が「売られていくよ」という、日本でお馴染みの歌詞は確かに悲しいものだが、行き着く先が市場であることを想像させるにとどまる。それに対して、原詞では、売られた後の「屠殺」という逃れようのない悲惨な運命まではっきりと言及されていて、日本語でしか知らなければちょっと驚く内容だ。仔牛に生まれたばかりに悲惨な運命が待っている。これがユダヤ人に生まれた彼らの状況と重なって、なんともいえぬ説得力のある歌になっている。この原詩から講師が迫害にあったユダヤ人であることが明らかに読み取れる。自由な身の小鳥や燕とは、おそらく迫害にあうことのないキリスト教徒かもしれない。百姓の言葉は、「その気になればユダヤ人もキリスト教に改宗できたのに、そうしなかったので迫害にあっているのではないか」と批判している言葉にも聞こえる。

Posted byブクログ