喫茶店と日本人 の商品レビュー
喫茶店好きの人が本を書いたり、雑誌の特集に記事を投稿することは多いが、今回のように経営コンサルタントが書いた喫茶店本は珍しい。 この本は2019年に発行されたもので、コロナ禍で状況は変わっているかもしれないが、カフェ開業志望者が後を絶たないと著者は述べている。 ...
喫茶店好きの人が本を書いたり、雑誌の特集に記事を投稿することは多いが、今回のように経営コンサルタントが書いた喫茶店本は珍しい。 この本は2019年に発行されたもので、コロナ禍で状況は変わっているかもしれないが、カフェ開業志望者が後を絶たないと著者は述べている。 カフェ経営は、クリームソーダのように甘くはない。繁盛している店はたった10%しかない。 撤退候補店50%、非繁盛店40%と多くの店は苦しい状況だ。 どうして非繁盛店になるのかいくつか理由を上げている。 カフェの特性を理解していない、定休日、営業時間が自分の都合だけで決まっているなど。 そう言えば、定年退職した男性に人気のそば屋開業に関して、本かネット記事で読んだとき、自分の視点にこだわったそばづくりでうまくいかないなんてあったなあ。 自己チュー経営では客はついてこない。 喫茶店には色々個性豊かな店がある。昭和20年代に出現した談話禁止の喫茶店もそうだ。 ジャズ喫茶のことで、客はレコードから流れるジャズを静かに聞いていた。 当時のレコードプレイヤー、スピーカー、アンプといった音響設備は、家庭で買えるレベルではなかったのでジャズ喫茶は繁盛した。 そして名曲喫茶というクラシック音楽を聞かせる店もあった。 この昭和27年~29年当時の喫茶店はほとんどが個人経営だった。 経営者の個性が店の繁盛に関係していたとして、現代でも学べることで、経営者は自身を磨くことを怠ってはならないと、著者は指摘している。 喫茶店の名物メニューの1つにスパゲッティがある。どうして喫茶店がスパゲッティをメニューに出すのか。 サンドイッチよりも食事色が高く、原価費率が低く、店にとって有利な商品だったからと著者は指摘している。 最後に開業の参考資料として、喫茶店の営業許可や、開業資金の借り方などについて書いている。 コメダ珈琲のように、あの広いスペースが幸いして繁盛している店がある一方で、個人経営の店の閉店がめだつので、これからのカフェや喫茶店はどうなっていくか気になる。
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世相と合わせた喫茶の年表が役に立った。この年表で全体を捉えてから本論で年代ごとに追っていくことで日本の喫茶店の変遷が理解できた。
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